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観察の関係 ページ34

Aside
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作者はカタカナ文字なので、外国の本らしい。面白い題名だけど、どんな話なんだろう。そして、どうして沖田さんが児童文庫を?
本を開きたくなったけど、この本、きっと沖田さんにとってかなり大事なものなんじゃないだろうか。他の危険な本達に比べて随分と古いし。ちょっと後ろめたくなって、本を戻した。

『…うーん…』

それ以外に何か参考になりそうなものはなく、私は沖田さんの部屋から出ることにした。
結局、沖田さんの趣味はほとんど分からなかった。落語くらいだ。
どうすればいいんだろう。困ったなあ。
もっとわかりやすい、例えば好きな音楽とかキャラクターとかだったら買いやすいけど。

ぴろん、とスマホの通知音が鳴った。
メッセージアプリからの通知だ。

志村妙今日、夕飯作りすぎちゃって。今からおすそ分けに向かってもいい?

志村妙さん、というのは新八くんのお姉さんだそうで。この前スーパーの特売を一緒に戦い抜いて仲良くなった。その時に連絡先も交換したのだ。

Aいいですよ、待ってますね

そう返事をしてスマホを閉じる。ついでにプレゼントのことも相談してみようかな。うん、女子力高そうだし、きっと参考になる。


***


『えっとこれ、なんですか』

「え?肉じゃがに決まってるじゃない」

いやいやいやいやいやいやいやいや、どう見てもダークマターまたは暗黒物質にしか見えないですよ、お妙さん。
笑顔でタッパーに詰めた料理を手渡してくるお妙さん。え?自覚なし?ドッキリとかじゃなくて?
断ったら断ったでなんだか怖そうなので、ありがとうございます、と言って一応タッパーを受け取る。申し訳ありませんが食べれません。

「にしても、ここが沖田さんとAちゃんのおうちなのね」

せっかくなので上がってください、と言ってリビングに通し麦茶を出した。ありがとうと一口飲んだあとお妙さんはしみじみと呟く。

「式はいつ?」

『…えっと、結婚式はやらない予定で…』

「そうなの。披露宴は?」

『それもやらない予定で…』

なんだか雲行きが怪しくなってきた。お妙さんの笑顔にヒビが入っていく気がする。

「じゃあ、新婚旅行は…?」

『そ、それも…ああ、でも!とりあえず!しあさって、一緒に出かけますから!』

「あら、そうなの。デートね」

危なかった。かなり怪しまれた。

「どこに行くの?」

副長さんの尾行、とはいえず。

『近場をショッピングしてみようかなって』

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作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/  
作成日時:2019年7月2日 21時

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