ご近所さんの関係 ページ23
Aside
·
『こいつ?』
「……あれ」
むくりと頭を上げた銀髪天パさん。死んだ魚の目が私を捉える。あれ、このひと生きてる?
「え、俺なんかに激突した?」
「なにかっていうか人ですって」
メガネボーイは呆れて物がいえん、と言いたげに銀髪天パさんを見る。
「マジで?ほんと悪い。大丈夫すか?」
意外とまともに心配してくれた銀髪天パさん。いえいえ全然大丈夫ですよ、すみません、そちらこそ大丈夫ですか、世界救うんですか、と返事を返す。
「え、俺そんなこと言ってたの?」
「ほんとーに申し訳ないアル。これあげる」
そう言ってチャイナ少女は私に何かを差し出す。受け取ってパッケージに書かれた文字を読む。
『すこんぶ…?』
こくこくと頷くチャイナ少女。フィルムを剥がして黒い酢昆布をかじってみる。
『…あっ、おいしい』
「だよナ!わかってくれて良かったネ、もういっこどーぞ」
にかっとステキな笑顔を見せ、私に追加の酢昆布を手渡すチャイナ少女。でも知らなかった、こんなに酢昆布が美味しいとは。ちょっと感動だ。
「いや、スーパーマーケットの隅で酢昆布を貪り合う女子、っていったい何ですかコレ」
およそ10分間チャイナ少女と酢昆布をもしゃもしゃしてると、メガネボーイが遠慮がちにツッコミをいれてきた。
「大丈夫。酢昆布を好きな人に悪い奴はいないヨ。私、神楽っていうアル。どうぞよろしくネ」
チャイナ少女、神楽ちゃんに続いて名乗るメガネボーイ、志村新八君と、銀髪天パさん、坂田銀時さん。三人で万事屋という何でも屋を営んでいるそうだ。
『へえ、この辺に住んでるんですか。じゃあご近所さんですね。……………あっ、私、沖田Aっていいます』
「沖田Aアルか。___ん、沖田?」
「Aさんですね。____沖田ァァァ?」
「へえ。___沖田ァァァァァァ!?」
はぁぁぁぁぁぁぁっ!?と、おんなじ反応をする万事屋三人衆。
「えっ、はいィィ!?沖田っておきたってオキタって、税金泥棒真選組一番隊隊長のオキタクンのこと!?」
私の肩を掴んでわしわしと揺する坂田さん。え?
『は、はい、そうですけど』
私は揺すられながら応える。坂田さんの後ろでは神楽ちゃんと新八君が「アイツ結婚したっていう噂マジだったアルか!?」「えええ、あの人結婚出来んの!?」と言っている。
もしかして、沖田さんと知り合い?
「ちょっとAさァん!?その事詳しく教えなさい!」
『えっ、あっ、はい…』
93人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時:2019年7月2日 21時