戸惑い関係 ページ3
Aside
·
「えぇ……あの、事情を説明してもいいですかィ？」
『どうぞ』
イケメンくんは何だかあたふたしている。
結婚してくれませんか？
それはいわゆる、プロポーズ。
ただすれ違っただけの相手に、プロポーズ。
そして私は、プロポーズをOKした。
うーん、ま、いいか、くらいのノリ。
まぁ、確かにいきなりOKもらっても困るのかもしれないな、相手は。
「俺は、真選組の、沖田総悟っていうモンでさァ」
『…あぁ、あのサド王子』
ようやく思い出した。彼はよく新聞に出てた。
だから顔に見覚えがあったのか。
私の記憶力も捨てたもんじゃないな。
「で、いま18歳なんでィ」
『あ、奇遇ですね、私もです』
おぉ…と、彼は頷く。首を捻りながら。
そんなに老けて見えるのかな、私。微妙に傷ついたぞ。おい。
「そんで、えーっと、真選組といえば、幕府直属。1番若手の俺には、いわゆる《縁談》が山のように来るんでさァ」
ほうほう、そうなのか。
真選組のことなんてよくわかんないけど、確かにこんなイケメンだったら縁談も来るかもしれないな。
「でも生憎俺には結婚する気はねェ。面倒臭いし、面倒だし、メンドーだし」
『理由が面倒くさいしかないじゃないですか。でも、それなのになんで、私にあんなことを？』
「あー、まぁ、その中で、やたらとお見合いの席を作ってくる人がいるんですけど、その人が『お前の本当の恋人でもいない限り』、縁談は持ちかけ続けるって」
『あー、それは確かに、面倒くさいかもしれないですねー』
「ですよねィ？なんかスケールもでかくなってきて、将軍とかも関わり始めたし。だから、本物の恋人でもつくって、結婚しちまったことにすれば、引き下がってくれると思いやして」
なんか、その…
『すごーく、雑な作戦じゃありません？』
「…それしか思いつかなかったんでィ」
『ま、私があなたの妻を演じればいいんですよね？』
「え、軽」
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年7月2日 21時
