3LDKの関係 ページ17
Aside
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「でも、本当にすみやせん。同居することになっちまって…」
沖田さんは申し訳なさそうに、何度目かの謝罪をしてきた。
『いえ、気にしないでください。全然構わないので』
私はガムテープを剥がしながら答える。ほんとに気にしていない。
「うーん、ならいいんですけど、でもなァ…」
沖田さんが責任感じなくて大丈夫ですよ、隊士さんたちのテンションがすごかっただけで、と言おうとした時、「おーい！」という声がした。
「総悟、Aちゃん、手伝いに来たぞー！」
『あ、近藤さん！』
近藤さんは副長さんやあんぱん隊士さん、もとい山崎さんなどなどを連れて手伝いに来てくれていた。玄関先まで出て指示を出す。
「いやーなかなかにテキパキしてるねー奥さん」
「沖田隊長も尻に敷かれて…デレデレ！ぷぷ」
「そこ、聞こえてますぜィ」
「す、すみません！」
「作業に戻りまあす！」
部屋が一気に賑やかになると同時に、力のある男の人たちの助太刀で猛スピードで片付けが進んで行った。
「おい、これは洗面所でいいのか？」
《おふろかんけい》とかかれた段ボールを抱えながら副長さんが尋ねてくる。
『あ、はい！よろしくお願いします！』
なんか、近藤さんとは仲良くなれたんだけど、副長さんには敬遠されてる気がするんだよなあ。まだ信用されないのかもしれない。
私と沖田さんが引っ越してきたのは真選組の屯所から徒歩十分、築六年のほぼ新築マンション。十階建てのオートロックだ。7階の角部屋、3LDK。日当り良好、ついでに景色もよし。かなりの好物件だ。沖田さんがみつけてくれたけど、どうやったんだろう。人気そうだ。
ここが今日から私と沖田さんのおうちになる。タダで住まわせてもらっている契約者の身としては家事はきちんと行う所存だ。おいしい晩御飯作っちゃおう。あんまり料理自信ないけど。
「Aさーん、こっちは完了ですぜ」
『あ、こっちもです！』
自然とリビングに集まる真選組隊士さんたちと私。
『みなさん、ほんとに助かりました！ありがとうございます』
「いやいやー、これからウチの総悟がお世話になるからねぇ」
近藤さんがゴリラの良さそうな笑み、否、人の良さそうな笑みを浮かべた。
うーん、むしろ私がお世話になる身なんだけどね。
「Aさんの料理、楽しみにしてまさァ」
『え、沖田さんも料理上手そうですけど』
ん？言う顔をする隊士さんたち。
近藤さんが言う。
「なんで敬語？沖田さん呼びだし」
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年7月2日 21時
