すれちがい関係 ページ2
Aside
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いまにも雫が落ちてきそうな空をみて、私はため息をついた。
まぁ、もう別に、関係ないんだけど。
まさか晴天に恵まれるなんて、思ってなかったし。
どこにいこうかな。どこまでいこうかな。
ターミナルに行って、いっそ宇宙に行こうかな。
それとも、ローカル電車を乗り継いで、知らない土地にでも行こうか。
または、このままずーっと歩き続けようか。
疲れたら、そこで辞めればいい。
もう別に、いいんだ。
もう、関係ない。
私はもう、いいの。
どうでもいい、その感情が心の中を占めると、なかなか動かないことが分かった。
よっぽどの事が起きない限り。
そう、余程のことが起きない限り。
「あー、あの」
突然声をかけられて、振り向く。
『……なんでしょうか』
声をかけてきたのは、黒い隊服を着た、やけにイケメンな男。
誰だっけこいつ?どこかで見たことあるぞ。
「あー、えっと、すごい意味わかんない事言ってるってわかってやす」
『はぁ……?』
何が言いたいんだ?
まだ何も言ってないぞ、こいつ。
「えーっとですねィ、単刀直入に言いまさァ」
『…はい』
「俺と、契約結婚してくれやせんか?」
その言葉に、度肝を抜かれたのは数秒間だけで。
『あ、OKですよ、別に』
「ですよねィ、いきなりあった男に、契約とはいえ求婚されるなんて………え?」
『だから、いいですよ、結婚、しても』
「へ?ま、マジですかィ?」
『マジです』
「…………えっ、えっ、ええええええぇぇ!」
なんでこの人の方がビックリしているのだろうか。
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作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時:2019年7月2日 21時