−Amethyst−

２９小節目 ページ41

理事長が居ない間も着地と師団披露の準備は進み、そして今日…


『さぁ！皆の者！！師団披露前夜祭！！始まりだぁーー！！！！』

「「うぉぉぉぉぉぉ！！！」」


ついに前夜祭が始まった。ちなみに今の開幕の言葉は団長が直々に考えた台本。

中庭で開幕の言葉が終わったあとは師団ごとに活動を始めていく。一年生に関しては生徒同士で回れるのは今日だけなので普通に楽しむ人も多いみたいだった。


「最終確認だけど、僕ら放送師団はこの野外放送室で各師団の出し物や落とし物のお知らせを放送していく。
もしもの緊急時の為に基本的にはここから離れられないのは申し訳ないがこれも大事な務めだから一緒に頑張ろう！！」


「『はいっ！」』


それからはずっと団長の言った活動内容の通りに放送したり、落とし物を受け取り持ち主に返して…を繰り返していた。
簡単に聞こえるかもしれないが実際はかなり大変。目が回るような忙しさ、ってこういうことを言うんだと思う。

でもだから嫌という訳ではなくて。声という音を人に届けるのが楽しかった。




『熱中したら帰ってこれない幻術帽子？』

《そうそう！命に関わる心配はないから安心してください》

『あ、良かった』


あっという間に日も暮れてきた頃。私は休憩中にジャジーさんとリードさんと電話でお喋りしていた。

話してる内にリードさんへの苦手意識も段々と無くなってきたし、本当に最近この２人との空間が心地良い


《あ、そうだ。明日うちの兄貴来るらしいからムルムス気を付けとけよ》

《それなら僕んとこの姉ちゃん見つけても話し掛けないようにしてね》

『？わかった…けどどうして？』

《クソだから/ヤバいから》

『おぉう…』


この２人にそこまで言わせる兄と姉って一体…逆に気になる…


「Aさーんそろそろ戻って来れるー？」

『あ、はーい！…じゃあ２人共頑張ってね』

《お前もな〜》《ばいば〜い！》


電話を切ってから団長たちの方に行こうとしたその瞬間、立ってられない程の地面の揺れと衝撃が突如発生した。

幸い、すぐに収まって皆怪我することなく無事みたいだったので良かった。


『ジャジーさんとリードさんも大丈夫？』

《あぁ…しかしなんだ今の揺れ》

《結構強かったよね？とりあえず団長たちの所に行…っっったっ！！！！》

『……え？？？』


なぜ急に事後報告？？


《リード？どうし……あれ…？》

『？…なんかそっちあった？』

《何だこれ…透明な、壁…？》

『かべ…？』

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