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「気をつけてねAちゃん！」
『はいはーい』
珍しく慌ただしいゾルディック家屋敷内
ドタバタと執事達が走り回り、ぶつぶつと小言を後ろで唱える母を尻目にAは玄関を目指す
「ぜっったいに無理はダメよ？何かあったらパパに頼るのよ？！」
『ねー母さん俺もう20歳超えてるけど』
「関係ないわ！Aちゃんは幾つになっても私の子供なの！当主への大切な時期なんだから、とにかく沢山殺した方が良いって言ったのにパパは……」
『大丈夫だって母さん、そんなことよりほら紅茶でも飲んでてよ』
「Aちゃんは甘すぎるわ！！！」
広い広い屋敷を走りながらも母はAにどれほどの殺し屋になって欲しいのか、ゾルディック家を継ぐものとしての意志をそれはもう長々と重苦しく隣で叫び散らかしていた。あぁ、感極まって涙が頬を伝っている
『お、カルト』
どうにか母の標的がカルトに向かないか、と敢えて玄関付近、1人佇むカルトの元へと足を運んだ
「A兄様！ご出発ですか？」
『うん、イルミは？』
「もうすぐ来られる筈です！」
『そかそか、がんばってな』
末弟の頭をそっと撫でる
片割れと同じ艶やかな髪、何度も何度も羨ましいと思った、イルミと同じ黒い色
『俺も欲しかったなぁ』
「…え、」
『んーん、ほらイルミきたよ』
ぽつりと呟いた言葉はカルトに聞こえていなかった
それで良かったのだ
キルアがいなくなった今、黒を持たない兄弟は自分1人のみになった
双子なのに、なんで俺はイルミと一緒でないのか
ミルキ達はイルミと同じなのに、なんで俺は黒を持つことを許されないのだろうか
「なに殺気じみてるの」
『緊迫感出す練習』
自分以外が黒を纏う、嗚呼。なんだか頭が痛くなってきた
この感情はなんなのだろうか、家族への嫉妬なのはわかる、疎外感にも近いんだろうか
けど髪色が違うからってなんだというのだ、髪など染めてしまえばい良いだけなのに何をこんなにもーーー
『なんだか無性にお前を殺したくなってきたよ、イルミ』
「ふーん。あ、カルトマハ爺呼んできてくれる？」
イルミ、ねえイルミってば
俺を見てよ、ねえねえねえ
『俺が勝ったらなんでも言うこと聞いたよ』
「じゃあその反対も然り、ね」
『えー、それはやだ』
じゃいってくるね
はいはい
.
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木星(プロフ) - めちゃくちゃ好きです！！イルミと主人公のあいまいな関係がめちゃくちゃ好みで何回も読み返してます…！応援してます！更新頑張ってください！！ (2022年3月30日 3時) (
レス) id: 294bceea8d (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いております！ほんとにいとつひとつの話が最高すぎて、あぁ！兄弟愛!!って感じがほんとに((最高です。この世界線の短編集とかも見てみたいですね……ほんとにこれからも楽しみに待っています！頑張ってください！ (2022年3月27日 0時) (レス) id: 708394548f (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 「お前が産めばいいだろう」って最高ですね！！ (2021年12月31日 13時) (レス) @page26 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
優心(プロフ) - 今まで見てきた中で1番のコレだ………感です。応援してます;; (2021年12月21日 22時) (レス) @page21 id: e0450d758e (このIDを非表示/違反報告)
不正ワーカー - 赤ちゃんはどこからくるの？8評価お願いします！ (2021年12月20日 15時) (レス) id: 9cb17a261c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年11月25日 9時
