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「ねえ、クロロから依頼来たんだけどなんか面倒くさそうだからこの日開けといてくれる?」
『ん、あイルミまって、俺まだ寝てるの』
もぞり、と自分を包み込む毛布に顔を埋もれさせるも
温もりを与えてくれる布はあっという間にイルミに剥がされていく
「暗殺者のくせに寝起き悪いなんて言わないでくれる?」
『クロロの依頼とかだるそうだからパス』
離れていく毛布が恋しくて、必死に腕を伸ばすも叶うことも無く。その手は毛布でなくイルミに掬われる
絡められる指、双子のはずなのにイルミの指はどこか自分よりも骨張っていて大きい
「ねえ、聞いてる?」
『うん、聞いてない』
抑揚のない声のはずなのに、自分には伝わるイルミの感情。この男はいつだって自分の前ではイラついているのだ。俺が、イルミの思い通りにならないから
でもさ、でもでもでも
俺がイルミの思い通りになったら
お前は俺を追いかけるのを辞めるだろ?
「くだらない事考えてるね」
『俺にとっては重要事項』
「どうだか」
双子のくせに
髪の色も、性格も能力も何もかもが反対
でもね俺は生粋の弟気質だから、イルミに構って欲しいんだよ
「余計なことなんて考えず、早く俺のものになりなよ」
垂れ下がるイルミの黒い髪が自身の白を支配していく
甘い甘い魅惑的な誘い、無理矢理にでも物にしてしまえばいいのに。イルミのこういうところはタチが悪い
『はは、楽しみだなあイルミ』
お前が俺を完全に支配するのが
俺はそれに足掻き続けるよ、近づいてきたら離れるさそうすればずっと、永遠に2人でいれるからね
「そう。じゃ空けといてね、この日」
ずい。と目の前に出された端末にはイルミがクロロから依頼された仕事内容が長々と記載されていた
クロロの癖に無駄にこういうとこ丁寧だよなぁ
なんて、思いながらも日付のところで目が止まる
『やっぱパス、その日俺別件』
「カルト辺りに行かせれば?」
『無理無理、爺ちゃんと親父とだもん』
「ふーん珍しいね。そんな大きいの」
イルミを押し退け適当な返事だけをした
先程イルミに見せられた、クロロからの依頼を思い出しながら気持ちが沸々と昂っていく
『ねえ。その日、どっちのが先に依頼完了するか勝負しようよ』
「つまらなそう」
なんでお前嬉しそうなの?
ないしょ。
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木星(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!!イルミと主人公のあいまいな関係がめちゃくちゃ好みで何回も読み返してます…!応援してます!更新頑張ってください!! (2022年3月30日 3時) (レス) id: 294bceea8d (このIDを非表示/違反報告)
むい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いております!ほんとにいとつひとつの話が最高すぎて、あぁ!兄弟愛!!って感じがほんとに((最高です。この世界線の短編集とかも見てみたいですね……ほんとにこれからも楽しみに待っています!頑張ってください! (2022年3月27日 0時) (レス) id: 708394548f (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 「お前が産めばいいだろう」って最高ですね!! (2021年12月31日 13時) (レス) @page26 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
優心(プロフ) - 今まで見てきた中で1番のコレだ………感です。応援してます;; (2021年12月21日 22時) (レス) @page21 id: e0450d758e (このIDを非表示/違反報告)
不正ワーカー - 赤ちゃんはどこからくるの?8評価お願いします! (2021年12月20日 15時) (レス) id: 9cb17a261c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リオハ | 作成日時:2021年11月25日 9時