気づかないだけ【ハリポタ】 (ページ11)

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第九話：切実な切なさページ11

セブルスside

最近、食事の時にしか見かけないA。一体、部屋にこもって何をしているというのだ？今日はそれを確かめに行く。

コンコン

軽くノックをするが、返事はない。強くたたいても、出てくる気配はない。ドアノブに手をかけると、開いていた。

セ)入るぞ。

入れば、ソファーで寝ているあいつがいた。が、顔面蒼白だ。我輩は何回これに対処する羽目になるのだ？近づくと、顔に涙の跡があり、うわごとを言っている

貴)し、にたくない。い、やだ。や、だ。だれ、か・・・。

そういうことか。そっと、手を握ってやる。それでもまだ泣いている。

貴)わたしは、いき、たい！

そいつはガバっと起き上がった。まだボーッとする目で我輩を見て、

貴)あ、ああ。先生。どう、しましたか？

などとぬかす。なんて愚かな・・・。我慢の限界だった我輩が、Aを勢いよく抱きしめてやると、変な奇声を発したが無視して話し始める。

セ)生きていて悪いわけがないであろう！そこに散らばっている本も、羊皮紙も何もかも、Aがこれから皆を守るためにしている。違うか？我輩はそのようなやり方をすることはできない。なにせ貫き通したのは「陰険教師」だからな。でも、おまえは真っすぐに信念を貫く。そんな奴を疎み、阻害する者の神経がわからん。我輩はAを家族同然に、大切に思っている。生きていてほしい。よいな？

貴)本当に、本当に、いいんですか？

セ)ああ。

貴)ありがとう、ございます。

まだ泣き止まぬが、もう心配はないだろう。しばらくするとまた眠ってしまったが、今度の寝顔は穏やかだった。