33話 ページ9
『ふぁっ……ぁふ…』
大きな欠伸を1つして起き上がる。制服に着替えて胸元のポケットにペンちゃんを入れる。
時間を見ると歪な時計の針は6:06を指している。
『早く起きちゃったな…良かった二度寝対策で先に制服着といて』
二度寝しないとしたら何しよう。いつもは7:00くらいに起きているし1時間程暇だ。
『たまにはオペラさんのお手伝いしよう。今は…厨房に行けばいるかな…』
長い廊下に出て厨房を目指す。厨房に行くには入間くんの部屋の前を通らなくてはいけない。まだ起きる時間ではないだろうし静かにしなくては
『ってサリバンさんとオペラさん?どうしたんですか入間くんの部屋の前で立ち尽くして』
「お、おはようAちゃん……実は…い、い、入間くんが……」
『入間くん?』
サリバンさんとオペラさんの間から部屋の中を覗く。
「んよぉ、A。」
『………へ!?』
「入間くんが………入間くんがグレたぁぁぁ!!!」
サリバンさんが嘆いてオペラさんも動揺して震えている中私は…自分の心臓の高鳴りを聞いていた
(…イルミ様と……同じ顔……)
同一人物だから当たり前ではあるけど…!
イルミ様だけどイルミ様じゃないから逆に心臓がバクバクする。
『入間、さん…』
倒れたら駄目、倒れたら駄目、倒れたら駄目、駄目、駄目…
『おおおお、オペラさん、お、お昼、じゃなくて、朝、朝ご飯にしましょ!!』
「そそそそうですね」
―――
「あ〜…ろくな記事ねーーな。おかわり」
「はっはははい只今…」
(入間くん改め入間さんはイルミ様とは別人、入間くん改め入間さんはイルミ様とは別人、入間くん改め入間さんはイルミ様とは別人………)
イルミ様と重ねたら駄目だ、絶対に駄目だ。そういつも通り。いつもの入間くんと同じ対応をとろう。そうすれば少しは落ち着けるはずだ
「A。」
『は!はい!!!何でございましょうか!入間さん!』
「さっきから全然食ってねぇけど要らないのか?」
『私は元々このくらいしか食べないので大丈夫でございますよ!』
「じゃあ残り貰っていいか?」
『へぇ!?あ、いや、何でもございません!どうぞ召し上がって下さいませ!!』
「ありがとな」
『ん゛…食材達も私より入間さんが食べた方が喜ぶでしょうし、本望でございます!!』
自分の馬鹿者。いつも通りの対義語みたいな接し方だったぞ。
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作者名:朱莉 | 作成日時:2022年5月8日 9時