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「可愛げなんて元々求めてないし!!それ言うんだったらAちゃんこそその荒い性格なんとかしたらどーですかー!?」

『じゃあアドバイスしてみろよ!!それでこの前失敗してたじゃんかよ!!!思春期男子が!!!!』

「あれはAちゃんの女子力が無さすぎたから失敗したの!!僕のせいじゃないし!!!あと今更だけどゲームしてないのになんでそんな性格荒くなってんのさ!」


普通に言い争いしてたけどこうやって言い争いするのAちゃんがゲームやって荒れてる時だけだわ…と今気づいた。


『こうやってないと今まで耐えてきた怖いって気持ちが色々溢れてきそうなんだよ!!!!!!』

「あはは!!何それ!?お子ちゃまじゃ……え?怖い?」

『悪い?!普通に怖いんだぞ!!でっかいコンクリートが上から降ってくるの!!!』


…よく見たら足、震えてんじゃん……


「…ごめん」

『……ううん、こちらこそごめん…』

「…もう大丈夫だから…皆と合流するまでおぶってく?足、捻ったんでしょ?」

『…うんお願い…ありがと…』


Aちゃんが背中に乗る。…少し冷たいけど暖かい。


「あ!見て!空晴れた!!」

「ホントだ!一段落付いたのかな」

「そうでござるよきっと!」

『ふぁ…んあ…リードくーん寝ていいー?』

「Aちゃん寝るとめっちゃ揺れるからダメ」

『ケチー』


他愛もない話をしながら来た道を戻る。

…死なないでくれて良かった。ありがとう、Aちゃん。

と心の中で呟いたのは僕だけの秘密だ。

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作者名:朱莉 | 作成日時:2022年5月8日 9時

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