甘酸っぱい1ページ【短編集】 (ページ14)

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千｢おかりん、今日Aと帰るから百だけを送ってって｣

岡崎｢いいですけど、おふたりだけで大丈夫ですか？なんならAさんも送りますけど｣

A｢いいんですいいんです！！むしろ、私1人で帰る位が本当は丁度いいんですよ！ね、千さん｣

ほんとこの人は年齢を重ねるにつれて幼くなるんだから。

私と千さんとの出会いは職場。

岡崎さんからの紹介を受けてこのRe:valeというグループのメイクを担当することになった。

もちろん、大神さんのことも知ってる。

本当はこの業界で恋愛なんてダメなんだと思う。

でも、

千｢おかりん、2人の邪魔しないでくれる？今日は僕が一緒に帰りたい気分なんだ｣

こういうルーズだけど素直なところが好きになってしまったんだよな。

岡崎さんは苦笑気味で｢はいはい｣と返事して楽屋を離れた。

私は一応お辞儀とお詫びを一言入れあと、先を行く彼の後ろについて行った。

千｢ほんとAは律儀だなぁ｣

A｢お仕事頂いてる身なので、そんな好き勝手出来ませんよ｣

千｢そんなの僕の彼女なんだから許されるに決まってるのに。そんなこと一切思わないのがAの好きなところなんだよね｣

サラッと言えるこのスキルを見習いたいくらいですわ……

千｢まあ、そんなことより。はい、手｣

A｢……て？｣

千｢僕の後ろじゃなくて隣を歩いて欲しいんだけど？あと、僕はもうRe:valeの千じゃないよ。呼び名戻して。｣

A｢未だに慣れない……｣

千｢はーやーく｣

A｢……ゆき、と。｣

私が名前をつぶやくとクスッと笑う

千｢…よく出来ました。｣

寒さのせいなのか分からない赤い頬で笑う千斗

私はこの笑顔にめっぽう弱い。

fin.

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やっぱり付き合うってなると素の折笠千斗を見てくれる彼女ちゃんがいいと思ってるんですよね。

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