輝く個性の物語【スト＊短編集】 (ページ1)

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彼との時間 black 視覚障害ページ1

目が見えない彼との日常の、きゅんとするところ。

設定＊二人とも社会人

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A『はぁ……もうお腹いっぱい。ごちそうさまでした。』

彼と二人食卓を囲む。

目の前には私の作った食事を美味しそうに頬張る彼がいて……。

北斗「えっ？ Aもういいの？ちゃんと食べた？」

なんて、彼はもぐもぐしながら私にそう訪ねる。

相変わらず咀嚼多めな食べ方が可愛い。

『うん。お皿ピカピカだよ！』

「ははっ。ピカピカって子どもかっ！w」

そういって笑う彼。

自分の笑顔がこんなにも可愛いということを彼は知らない。

思わず言葉をつまらせる私に不思議そうに彼は「どーした？」なんて耳を澄ませる。

私は平然を装って、

「ううん。……空いたお皿片付けちゃうから、北斗はゆっくり食べてて。」

あわててそう答えた。

なんとなくせわしない平日。

明日も早いしなぁ……。

なんて。

そんな思いもあったりしながら、私は食事が終わると一息つく暇もなくキッチンへと向かった。

ダイニングテーブルのすぐ横のキッチン。

そこで、時より食事中の彼に視線を向けながら自分の食器と調理機器なんかを洗う。

「北斗～、食べ終わったらそのままでいいよ！今取りに行くから。」

食事を終えて静かに手を合わせている彼にそう声をかける。

『ううん。だいじょーぶ。自分で持ってくから。』

見えていなくても器用に自分の食器を重ねて行く彼。

『……あっ。まだあった。』

丁寧にテーブルを触って、置き忘れがないか確認する彼は、やっぱり真面目な人だ。

彼の指先は見えているひとの何倍も繊細で……美しい。