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あれから少し時間が経って、私はお昼を届けにクリケットクラブへ向かった。
これでも一応料理くらいは出来るんでね…
甘めの卵焼きにトマト大量、ヘルシー且つ羽生くんの好きなものばっかりのお弁当だ。
中に入ると休む様子もなくひたすら練習している羽生くんの姿が。
なんだかんだ言ってスケートしてるときが一番かっこいいかも。
羽生くんのこんな姿を間近で見られるのもよくよく考えたら貴重なのでは。
私がまさかこんな役目担うなんて思わないし人生何があるか分からないってつくつぐ感じた…。
私はエントランスにあるソファに座って羽生くん待った。
すると何分かして奥から小走りでこちらに羽生くんが向かってくる。
「ごめん、待った?」
「ううん、全然平気!はい、お弁当ね。」
「ありがとう。今まで母さんのお弁当だったから何か変な感じ笑」
「そっか、今までお母さんが全てやってくれてたんだもんね。」
こういう他愛も無い話をしているときは普通なんだけどなぁと思い色んなことに対しての歯痒さを感じる。
「どう?練習の調子は。」
「んー、まぁまぁかな。特別悪いところとかはないし……」
「そう、それなら良いけど。腰とか足とか結構痛めてるんだからあまり無理しないようにね。」
「大丈夫だよ笑 母さん以上の心配性だね笑」
「えっ、そ、そりゃあ私は一応施術師ですから?そこらへんは専門なんでよく分かってるというか……」
「普通に俺は嬉しいけどね。」
そう言って羽生くんは大好物のトマトを口に頬張った。
にっこにこの笑顔で見つめてくるので私は思わず下を向いた。
可愛すぎるという反則行為が羽生くんには暫し多い。
「あっ、この卵焼き美味い…!」
ひとり羽生くんに対して悶絶している私をよそに本人はパクパクと食べている。
まぁ、美味しいと気に入ってくれて何よりだけど…。
「ごちそうさまでした!すごい美味しかったよ〜」
「それは良かった。お弁当作るのは初めてだったから内心、結構不安だったよ笑」
「またよろしくね。」
そう言うと羽生くんはふっとさり気なく私に近付いて優しく抱きしめてくれた。
そしてまた小走りでリンクに向かっていく羽生くんの後ろ姿を見つめながらどこか懐かしい気持ちが私の中でじわじわと込み上げていた。
※更新遅くなってごめんなさい!
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柚紀(プロフ) - 未来さん» ありがとうございます涙 これからも頑張ります\( ・ω・ )/ (2018年2月27日 7時) (レス) id: 678380d46e (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 更新頑張ってください!! (2018年2月27日 6時) (レス) id: ee26f29eef (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 羽生くん…天使かな?もうヤンデレ最高っすね!! (2018年2月27日 6時) (レス) id: ee26f29eef (このIDを非表示/違反報告)
柚紀(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます涙 ちゃんとヤンデレになってるのか不安なんですが頑張ります(*´>ω<`) (2018年2月27日 0時) (レス) id: 678380d46e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - すごいおもしろい!ヤンデレさいこー (2018年2月26日 22時) (レス) id: 1803f0d223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚紀 | 作成日時:2017年2月25日 0時