#29 ページ30
.
「ちょっと…!康太離して!」
「A!少しでいいから、俺の…話を聞いてほしいんだ。」
「もうやめて…聞きたくなんかない。」
「本当に…一年前のことは悪かった。俺も本当に反省したんだ。だから、もう一度俺にチャンスをください。お願いします!」
康太は私にすがりつくようにして言葉を発した。
散々、私を傷付けてきた。
今更信用できるはずもない。
そんなことも分からないのか。って言い返してやりたいけど今の私にそれほどの気力なんてない。
康太の顔を見るだけでも嫌気が差すから。
「…ごめん。本当に無理なの。私にはもう関わらないで。」
「A……」
「散々自分が何してきたかなんて分かってるでしょ!?」
「分かってるよ。でも俺は改心したんだ。変わったんだよ。」
「………そんな事言われても……信用できない………。」
私は掴まれたままだった腕を振り払って羽生くんのいるアップルームへ向かって走った。
「遅くなってごめんね。」
私は息を切らしたまま部屋に入ったが羽生くんの姿はない。
「あれ?羽生く…」
すると後ろから手が伸びてきて勢いよく壁に押し付けられる。
「ねぇ、さっきの男誰?」
「っ…!…羽生くん……」
私はさっきまでの康太に対する嫌悪感とは一転して一気に羽生くんに対する恐怖へと変わった。
「……?A?泣いてるの?」
「えっ………?」
私が泣いてる?
そっと頬に手を当ててみると涙らしきものが手を伝った。
「どうした?何かあったわけ?さっきの男になんかされた?」
羽生くんは私の涙をそっと拭いながら探るような瞳で問いかけてくる。
「いや何でもないよ、大丈夫だから…」
「どう見ても大丈夫じゃ、ないよね?
……Aを傷つける奴は許さないよ……」
私は最後の羽生くんの言葉をどうしても聞こえないフリしたかったのか、それとも今回のことはあまり知られたくなかったのか。
私は何も言えずただ俯いてしまった。
.
369人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柚紀(プロフ) - 未来さん» ありがとうございます涙 これからも頑張ります\( ・ω・ )/ (2018年2月27日 7時) (レス) id: 678380d46e (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 更新頑張ってください!! (2018年2月27日 6時) (レス) id: ee26f29eef (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 羽生くん…天使かな?もうヤンデレ最高っすね!! (2018年2月27日 6時) (レス) id: ee26f29eef (このIDを非表示/違反報告)
柚紀(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます涙 ちゃんとヤンデレになってるのか不安なんですが頑張ります(*´>ω<`) (2018年2月27日 0時) (レス) id: 678380d46e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - すごいおもしろい!ヤンデレさいこー (2018年2月26日 22時) (レス) id: 1803f0d223 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柚紀 | 作成日時:2017年2月25日 0時