水の世界 ページ49
「いままでありがとうございました」
「いえいえ、迷惑をかけちゃったみたいだけどスゴい助かったよ!本当にありがとう!!」
図書師団の団長さんに挨拶をして図書塔から出ていく
今日はごちそうだよな....おじいちゃんだし
私はワクワクしながら帰ろうとすると
「あっ!君!」
「えっと....ウェルパール先生!」
「覚えてくれてたんだ!ウェルパール先生だよー」
白い髪の毛で深い海のように蒼い瞳
「ふつくしい」
「ん?ふつくしい?」
しまった!ふつくしいの言い訳を....
「えっと!その!フツク・シイっていう悪魔が出てくる本を読んだんです!!」
「そうなんだー今度それ貸してね!えっと.....」
「Aです!」
「そっか、A....いい名前だね!」
ウェルパール先生はニコッと笑ってくれた
「はい!」
本は今度おじいちゃんに頼み込もう....
「あっ!あのねー私お礼を言いに来たんだ!」
「お礼?」
「ご飯を食べている時に突然話し掛けて職員室まで案内してもらっちゃって申し訳なかったの.....ありがとう!」
「いえいえ」
手をブンブンと振るとウェルパール先生は眉を吊りあげて
「絶対にお礼させてもらうよ!!」
「アッ....ハイ.....」
勢いに押されて返事をすると嬉しそうに手をバッと上げた
その瞬間に周りにあった木々も建物もなくなりその代わりに
透明なのに奥が見えない水が私を囲んでいた
「ここは?」
水にそっと触れながらも私は問い掛ける
水は冷たいけど少し暖かみもある、お日様に当たった毛布のように心地よい
「ここは私の家系能力で作った水の世界!綺麗でしょ?」
先生はフフと笑いながら水をすくい私に掛ける
「キャッ!もーお返しです!!」
私も水をすくって掛ける
その後はずっと水かけっこをして遊んでいた
「そろそろ帰ったほうがいいよ!」
ハッと顔をあげてウェルパール先生は言う
その瞬間に水の壁は消え去って夕暮れの色に染まった地面があった
私の体はあんなに濡れていたのに今は乾いている
「遊んでくれてありがとう!じゃあねー!」
「さようならー」
ウェルパール先生を見送った後に私は家へ帰って行った
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(´・ω・`) - 面白かったです!梯子揺らすて、何考えてんの男子。そして、妹強い。次回も待っています! (2020年5月27日 12時) (レス) id: 8cd34875f0 (このIDを非表示/違反報告)
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