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｢いつもより元気よくない？ 何かいい事あったでしょ？｣
私の問いかけにアミは上目遣いでえへへと笑う。
｢実は、昨日塾の帰り……｣彼女はそこで一呼吸置いてから、｢孝太と帰っちゃったの！｣
……ああ、成程。
｢孝太って、サッカー部の橋本君だよね？｣
｢そうそう！ 去年同じクラスで好きだったけど、今年クラスが分かれちゃって……｣
そういうアミの顔は、恋する乙女だなあと思えるくらいに輝いて見えた。
｢よかったね｣
……知ってる。きっとみんな分かってる。
橋本君は人気だけど、彼を｢好き｣と言えるのは私たち一部の人間だけだってこと。
だってああいうかっこよくてスポーツが出来る男子は、可愛くて明るい女子しか見てない。
地味な子に好きと言われても、迷惑なだけだ。上のランクの男子は、上のランクの女子と付き合う。友達だってそうだ。
だって、下のランクの子といたらダサいじゃん。
──いつからそうなったのだろう。
小学校高学年くらいからだろうか。
｢わっ｣アミは、誰かにぶつかったみたいだ。はしゃぎすぎていたのだろう。
私はそちらに視線を移す。
｢……ごめん、なさい｣それは浜田さんだった。
伏し目がちな瞳が揺れ、微かに謝る声。
｢……いいよ別に｣
そんな彼女にアミは不機嫌さを隠しきれない声で返事をした。
浜田さんは学校へ向かって駆けていく……
そんな彼女を冷たい目で見ながら、アミは｢ああゆうオドオドしたの、ほんっとムカつく｣と男子と話す時とは全く違うトーンで言った。
一瞬心臓が締め付けられるような苦しさに襲われたが、平然を装って｢そうだね｣と返す。
心臓が、ありえないくらいに大きく、はやく、鳴る。
顔が、火照って熱い。
ゆっくり、呼吸を整える。
違う、何にも、ない、大、丈夫。
そう自分に言い聞かせる。
＊＊＊＊
｢おはよー｣
｢おっはよー！｣
｢二人ともおはよー！｣
いつも通り、三人で挨拶を交わす。
マユは私たちより先に来ていたようだ。三人とも家の方面が違うので、一緒に学校へは行けない。
｢昨日のドラマ観た？｣
｢観たみた！｣
｢あれ途中で寝ちゃって……｣
えー勿体無い！ あのシーン良かったよね！ 俳優の佐藤君がかっこよかった！ あ、今度映画行かない？ 望美ちゃん主演なんだって！ え、行くいくー！
そんな女子らしい会話をしてきゃあきゃあ騒いでいると、チャイムが鳴った。
私たちは慌てて席に着く。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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- 全体運: ★★★☆☆
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かぐや(プロフ) - 水の犬。さん» 水の犬。様有難うございます！共感していただけて嬉しいです。お気づかいの言葉まで有難うございます…！面白いと思っていただける作品作りを心がけますので、今後ともどうかよろしくお願いします！ (2019年2月19日 20時) (
レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します。お話すごく面白かったです！主人公の気持ちで共感できる部分がたくさんあり、お話の世界に入り込んでしまいました(*∵*)更新、無理しない程度に頑張ってください！ (2019年2月19日 18時) (レス) id: 1e3c02421b (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - ありしあさん» お褒めの言葉有難うございます…！そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです…！よい文章、物語を作り上げられるようこれからも頑張ります、どうかよろしくお願いします！ (2018年3月24日 12時) (レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
ありしあ(プロフ) - すごい…文章がよくまとまっていて、とても読みやすいですね！謎めいた事件から始まるストーリーも、先の展開が気になってしょうがなくなります！ 次の更新も楽しみにしてますね！ (2018年3月23日 21時) (レス) id: 8ee049553d (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - すわさん。さん» そうなんですね、教えてくださり有難うございます…！そう言っていただけてとても嬉しいです！ (2018年3月11日 19時) (レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
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