▼ 非凡 ページ20
今日も無事授業が終わった。
部活は大会があと一週間を切り、選手(私も含め)の中で焦りが生まれている。
最近はそのせいか全然シュートが決まらない。
私は唯一の二年だし学校を背負っているわけだから、足を引っ張らないように頑張らなくちゃ……などと考えるとますます出来なくなる。
そしてまた昨日の出来事を思い出す。
やっぱり私、補欠になんかなりたくなかった。
もう、部活に行きたくない。
****
「ナイッシュー」
今大会の選手達はレイアップシュートの練習の真っ最中だ。
メンバーに選ばれなかった人達は、隅で筋トレをしている。
「集合!」
部長の合図に返事をし集合する。
選手全員が集まったのを見て、顧問の先生が指示を出した。
「今からメンバーの中で試合を行う。背番号偶数は部長、奇数は副部長のチームだ、別れて」
副部長と先輩三人、私。ちょうど五人だ。
「先生」
部長の声。
「ひびきはどうすればいいですか」
そうか。ひびき先輩は12番、偶数の背番号は六人になってしまう。
「じゃあ、私が代わります」
ここは後輩なのだから譲るべきだろう。しかし手を挙げた私を先生は
「いや、お前は出ろ。宮川はそこで筋トレしてるやつらに混ざれ」
と制した。
まあ確かに、ひびき先輩はドリブルもそんなに上手くないし、私よりシュートだって入らない。
先生の判断は合ってる、よね。
心がもやもやで満たされてゆく。
「試合、始め!」
笛の音が鳴り響き、それと同時にボールが上に上がった。
ボールを手で叩きつけた音。ジャンプボールは副部長が取ったようだ。
試合開始。
「ナナ!」
部長にマークされたようで、ボールはすぐにパスされた。
少しそれたボールをすかさずキャッチ。しかし、
「あっ……!」
ドリブルをしたものの先輩のディフェンスは凄い。あっさりボールを取られてしまった。
でも、今くよくよしても仕方がない。こちらもマークするために走った……が、相手のパス回しによって、私達は二点を許してしまった。
「頑張れナナ、落ち着いて」
副部長が私の肩を優しくたたく。
残り時間一分、点はお互い八点。
そして私のフリースロー。奇数チームでシュートを決めていないのは私だけだ。ここで何とかしてでも入れなければ。もし入れば、勝てるかもしれない。
入れなきゃ、入れなきゃ、入れなきゃ……
沢山の目がこちらを見ている。
入れて、という目と入れないで、という目。
ホイッスルが鳴り、私は息を吸い込んだ。
そして
鈍い音がした。
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かぐや(プロフ) - 水の犬。さん» 水の犬。様有難うございます!共感していただけて嬉しいです。お気づかいの言葉まで有難うございます…!面白いと思っていただける作品作りを心がけますので、今後ともどうかよろしくお願いします! (2019年2月19日 20時) (レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - 初めまして!コメント失礼します。お話すごく面白かったです!主人公の気持ちで共感できる部分がたくさんあり、お話の世界に入り込んでしまいました(*∵*)更新、無理しない程度に頑張ってください! (2019年2月19日 18時) (レス) id: 1e3c02421b (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - ありしあさん» お褒めの言葉有難うございます…!そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです…!よい文章、物語を作り上げられるようこれからも頑張ります、どうかよろしくお願いします! (2018年3月24日 12時) (レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
ありしあ(プロフ) - すごい…文章がよくまとまっていて、とても読みやすいですね!謎めいた事件から始まるストーリーも、先の展開が気になってしょうがなくなります! 次の更新も楽しみにしてますね! (2018年3月23日 21時) (レス) id: 8ee049553d (このIDを非表示/違反報告)
かぐや(プロフ) - すわさん。さん» そうなんですね、教えてくださり有難うございます…!そう言っていただけてとても嬉しいです! (2018年3月11日 19時) (レス) id: f6494d153c (このIDを非表示/違反報告)
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