｢こんにちは、もう一人の私｣

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学校生活についてのアンケートのお陰で、私の今の気分は最悪だった。確かこれ、結果を元に担任と一対一で話すんだっけ……考えるだけで頭痛がする。やめておこう。

今日は五時間授業だったのが唯一の救いだ。
そういえば明日は体育が……ダンスだった気がする。体育(特にダンス)は明るい子の為の授業だ。私がダンスをしてどうなる。

ダンスではきっとグループ分けをしろと言われるのだろう。確か体育は少し遅れていると聞いた。早く分けろと急かされるのだろうか。
グループ分けは同士たちと集まるからいいにしろ、それをグループごとに発表するとなると憂鬱だ。きっと私達のダンスを浜田さんら は笑いを堪えながら見るのだろう。
そして自分達は完璧なダンスをキメ顔で繰り広げるんだ。
羨ましいとは思わないが、少し悔しい気がした。

｢せんせぇー今度のテスト難しいですかー？｣
｢おいおい、俺の作るテストは毎回難しいだろ？｣
｢簡単にしてくださいよぉー｣
なんていう浜田さんと担任の会話が遠くで聞こえた気もしたが、今はそんなのどうでもよかった。

テストが難しいにしろそうでないにしろ、また私は平均(というよりかは正確に言うと中央値)くらいをとるのだろう。
テストの日は早帰りだから家でゆっくりできる(まあ少しは勉強もするが)。だから嫌いではない。親も成績に煩くないし……弟のテスト答案を見るとその差に悲しくなるのも事実だが。

そのままぼうっとしていると、日直が前に立った。
｢今から、帰りの会を始めます｣
私は安堵のため息をつく。
……今日もまた、学校が終わる。

｢やったあ、今日部活ない！｣
じゃあ何故部活に入った、などという質問は中学校生活で何十回と心の中で呟いたのでもういい。

それより私が嫌な顔をした理由は、浜田さんのその大声だ。独り言なのか近くの子に言ったのかは知らないが、教室中に響き渡る声で叫ばなくてもいいだろう？ あなたに部活がなくとも私達には関係がないのだから(彼女を意識している男子は一緒に帰れるかとどきどきしているかもしれないが)。
周りがうるさいと疲れるので止めてくれ。

彼女を軽く睨み(相手は気づいていないだろうが)、私はまだ賑やかな教室を出た。
今日は早く帰って寝よう。テストも近いが、何よりも疲れた。
勉強は明日からでもいいだろう。
そう納得ながら階段を降り外を見ると、いつの間にか雨は止んでいた。

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