第四章 52＿砂漠の辛さ ページ3
息が荒いグリム君。
歩幅が小さいから人間よりキツイだろう。
『グリム君。肩に乗せてあげる』
グリム「ほ、ほんとか！？で、でもAは…」
『私が男性より体力あるの知っているでしょ、ほら』
手を差し伸べるが、グリム君はムムッと悩んだ後、自分で歩き出した。
『グリム君？大丈夫だよ、私なら…』
グリム「駄目だゾ…！Aは、起きた時、凄ぇ顔してたゾ！オレ様は未来の大魔法士様だから、自分で歩くんだゾ！」
自分に言い聞かせるようにして、トコトコと歩き出す。
起きた時……あの時の事か。
素直じゃない彼なりに、心配してくれたのだろう……。
気持ちは嬉しいし、グリム君の気持ちは優先したいけど…心配だな。
無理しそうだったら抱えて上げよう。
チラリとカリム先輩を見上げる。
どうしてあんなに変わってしまったんだろう…。
昨日まで見えた筈の妖精は、彼の側に見えない。
寮生「はぁ…はぁ……」
カリム「ペースが落ちてきたぞ！もっと足を上げろ！」
寮生「そ、そんな…もう無理です……！」
カリム「貴様…そんな体たらくだから試験もマジフト大会も最下位になるんだ！」
グリム「ヒェ〜み、水をくれ……！干からびちまう…」
ジャミル「もうすぐオアシスだ、しっかりしろ」
もう寮生たちは限界だ。
彼らを鼓舞するため、ジャミル先輩が話しかけている。
私は今にも倒れそうなグリム君を抱え上げた。
『無理しないで、グリム君。後は抱えてあげる』
グリム「うぅ〜水ぅ…」
『もうちょっとでオアシスだよ』
ポンポンと彼の背を撫で、歩き出す。
砂の上がこんなに歩きにくいとは……。
降水量が少ないから、砂粒も小さいのだろう…歩くたびに靴が沈んでいく。
スカラビア寮生の寮靴がサンダル理由が分かった。
普通の靴じゃ重すぎて沈んでしまう。
ジャミル「グリムを抱えて、大丈夫か？」
『平気です。人より体力はあるので』
グリム君を抱え、なおかつ女でもある私の体力を心配してか、
後ろで寮生たちを支えていたジャミル先輩が隣へ来てくれた。
彼自身、汗一つかいていない所がまたすごい。
息も乱していない。
『ジャミル先輩…凄いですね、平気なんですか？』
ジャミル「熱砂の国ではこの気温は普通だ。
砂漠を行進する特訓も何度もやった事があるからな」
『慣れって凄いですね…』
ジャミル「まぁ小さい頃から往復訓練をしていれば嫌でも暑さには体性がつく」
第四章 53＿干上がったオアシス→←第四章 51＿オアシスへ行進
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 細かなご指摘ありがとうございます。作者も本職業ではないため、誤字や文字の間違いなどがありますが、ご了承下さい。今回は麗様の意見を参考に修正させて頂きました。小さなご指摘いつも本当にありがとうございます！ (2021年2月28日 2時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 麗さん» 何度もご指摘ありがとうございます！修正いたしました！麗様がおっしゃるように修正しました！「いっぱい」と「一杯」だと意味が違ってきますし。「一杯」という意味は主に分量などで使われますから今回の場合はひらがなでの「いっぱい」がふさわしいと考えました。 (2021年2月28日 2時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 27ページ 一杯つくるよ いっぱい と平仮名の方が意味的にはしっくりくるのではと思ったのですが、、、、余計な一言ですよねこのコメント、、、 (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 21ページ 瞬間掌返し？」 二重カッコではないのでしょうか？ (2021年2月28日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 長いシリーズですが、最初から読んでいただきありがとうございます！更新頻度を落とさず、頑張って行きますので、よろしくお願いいたします！ (2020年7月29日 18時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年7月27日 17時
