〈ツイステ〉 ねじれた世界の御伽噺 第八幕

第四章 12＿“小さい”は禁句です ページ13

私の言葉に苦い顔を浮かべ返答するリドル先輩。
さっきの暗い感じは少し晴れた様だ。


『これ、先輩用のシュトレンです。早めのプレゼント…みたいなので、よければ是非』

リドル「今僕に押し付けたじゃないか‥…ふっ、ありがとう」


先ほどより柔らかい笑みを浮かべ、シュトレンの袋を受取ってくれた。


不安だが、家族問題に深入りするのはお互いの為にならない。
きっと、リドル先輩なら大丈夫だろう。



フロイド「なぁにぃ、金魚ちゃん。お家に帰りたくないの？帰らなきゃいいのに」


背後からの重みとこの声…‥これは。


『フ、フロイド先輩……重いです』


レオナ先輩みたく頭に顎を乗っけられ、完全に寄り掛かっている。


フロイド「オレたちも帰らないしさぁ、一緒にガッコーに残ろうよ。あはっ」


リドル「……突然なんだい、フロイド。
なにも知らないくせに、口を挟まないでくれないか。不愉快だ」

ジェイド「そうですよ。ご家庭の事情に首を突っ込むものではありません。
あと、Aさんを解放してさし上げなければ‥そろそろ潰れちゃいますよ」


ジェイド先輩の御慈悲により、私は解放された。



『…これ以上身長が縮んだらどうするんですか』

フロイド「小エビちゃん、それ以上小っちゃくなるの？でも、もう大きくならないじゃん」

『なるんですよ！！』



16歳の成長期舐めるなー！と言いたかったが、横からエース君達に抑えられた。




フロイド「だってさあ、ジェイド。いつも同じメンツで年越しすんの、つまんないじゃん。
アズールも、金魚ちゃんなら小さいから飼っていいって言うと思うし〜」


あ、“小さい”という単語を出してしまった…。




リドル「今、なんとお言いだい？」



止める間もなく、リドル先輩は声を出した。



リドル「……ハーツラビュル寮の長たるボクによくもそんな口がきけたものだね。

今すぐ首をはねてやる！！」


ケイト「リ、リドルくん！ここで喧嘩はヤバいって！」

トレイ「落ち着け、リドル。またあいつのペースにハマってるぞ」


リドル「うぎぃぃ……！！」



マジカルペン片手にフロイド先輩に向かおうとするリドル先輩を全員で止めた。


『フ、フロイド先輩達の実家は珊瑚の海…ですよね？』
ケイト「そ、そうそう！3人は実家に帰らないの？」


何とか話を逸らすために、フロイド先輩達に話を吹っ掛ける。
それに便乗したケイト先輩も聞いてくれた。

その間に、後ろでトレイ先輩がリドル先輩を宥めている。

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