第三章 45＿血も涙もない ページ10
＿＿鏡舎
サバナクロー寮の鏡を通る前に、オクタヴィネルの方の鏡を見る。
(3日…私に、出来るだろうか)
あの時は豪語したが、正直不安だ。
魔法も何も無い私が…今はグリム君達の手助けも借りれない。
心臓の事もあって、不用意に妖精達に力を借りるのも危険だ……。
1人で、出来るのかな…と思っていたら、背中をポンと叩かれる。
ジャック「1人で不安がってんじゃねーよ」
『…ジャック君』
ジャック「……1人じゃねぇだろ。俺がいてやる。
あいつらが魔法使えないから、俺がお前に手貸してやるよ」
『……ふふっ、ありがとう、ジャック君』
グリム「オレ様もいるんだゾー！」
ジャック「お前、魔法使えねぇだろ」
グリム「食べる事は負けねぇゾ！」
『何の役にも立たないよ、それ…』
弱気になっても仕方がない。
私は首を振り、ジャック君とグリム君と共にサバナクロー寮の鏡の中へ。
＊＊
__________サバナクロー寮･談話室
サバナクロー寮へ着いたので、寮長であるレオナさんにも許可を貰いに行ったのだが。
レオナ「却下だ」
説明して数秒たらず、即答だった。
ジャック「そんな即答しなくても……」
レオナ「ウチの寮はペットの持ち込みも禁止している。毛が落ちるからな」
グリム「嘘つけ〜！オマエらのほうがオレ様よりよほど毛がフサフサしてるじゃねぇか！」
ラギー「それはそれ、これはこれッス」
ご自慢の耳と尻尾が泣いてるぞ。どうしてアレはよくてグリム君は駄目なのか…。
レオナ「だいたいな。空き部屋の掃除なんか何ヶ月もしてねぇし、
寮生どものガラクタ置き場になってんだろ。2匹もどこに置いとくつもりだ」
『あ、あの部屋があるなら自分たちで掃除します！だから…』
レオナ「ダメだ。Aだけなら置いてやってもいい。だが、狸は出て行け」
『何でグリム君だけ？！』
グリム「何で、オレ様だけ！？」
私とグリム君の声が重なる。かなり理不尽だ。
レオナ「黙れ、俺の意思だ」
『無茶苦茶ですよ！！こんな小動物、寒い外に放り出すんですか！？』
レオナ「あぁ」
『…血も涙もない』
私だけ置いて貰える…というのに素直に喜べない。
勝手に相棒だとも思っているから…離れるのは……ちょっと寂しいし。
ふと、隣に人の気配を感じ、横を向くと、満面な笑みを浮かべたラギー先輩がいた。
彼は笑顔のまま、私の肩をポンと叩く。
ラギー「コイツら、レオナさんの部屋に置いとけばいいんじゃないッスか」
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ALICE(プロフ) - sannkayouさん» ご指摘ありがとうございます！修正いたしました。 (2022年7月3日 13時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
sannkayou - 第六幕の3章57で『ナイトレイブンカレッジ』が『ナイトオブカレッジ』になっています。 (2022年6月2日 16時) (レス) @page22 id: 9daed769cc (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 麗さん» 32.37とも修正させて頂きました！！何度も誤字に関するご指摘下さりありがとうございます！ (2021年2月28日 2時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 37ページ 頭)があるんだろ ) は不要ではないでしょうか？ (2021年2月27日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 32ページ 何であいつ着てんの とありますが 来てんの ではないでしょうか？ (2021年2月27日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年7月21日 18時
