第三章 42_アザラシグリム ページ7
ジェイド「お約束を果たして頂くまで、この寮は一時的にアズールのもの。
従って、お2人には直ちに退去して頂かなくてはなりません」
フロイド「身支度を整える位の時間はあげるからさぁ」
ジェイド「正式にここがアズールのものになった際は…私物は全て廃棄させて頂きます。
そのつもりで…身支度なさってくださいね」
フロイド「ふふふ、大丈夫だって〜
3日後の日没までに写真を持ってこられたら全部返してあげるからさぁ」
グリム君は慌てて二階へ飛んでいく。
きっとツナ缶を持っていくつもりなんだろう…彼の私物はそれくらいしかないし。
私も追いかけて、身支度を始めた。
幸い、今は月曜日。ノームが対価を求めに来る金曜日には当たらないのでほっとする。
これ負けたらノームどうしよう……まぁ後々考えよう。
考えを放棄し、数少ない荷物を手に玄関へ。
ジェイド「お2人共、準備はよろしいですか?」
フロイド「じゃーね、小エビちゃん、アザラシちゃん。達者でー」
ジェイド「あぁ、もし宿にお困りでしたらご相談下さい。オクタヴィネル寮のゲストルームは1泊1万マドルからリザーブ可能ですので」
絶対行くか、そう意思を込めて、オンボロ寮の扉を閉めた。
グリム「おい、ちょっと待て!アザラシって?
今のアザラシってオレ様の事か〜〜!?」
グリム君の叫びと共に冷たい風がビューとふぶいてきた。
うぅ、寒っ。
……あーどうしよう、今日から3日間の寝床。
トボトボとオンボロ寮の門から出た時……。
___________ポタッ
【僕を_____奴らを______】
『っぅ……ふぅ』
グリム「A?どうしたんだゾ?」
『…大丈夫。グリム君ちょっと待ってね』
鞄を地面に置き、クルーウェル先生からもらった薬を飲む。
暫くするとチクチクとした痛みが落ち着いてきた。
ふと、何か柔らかい感触が頭にあると思ったら、
しゃがみ込んでいた私の頭をポスポスとグリム君の肉球が叩いている。
…いや、撫でているのかな?
グリム「しょ、しょうがねーから、オレ様が撫でてやるんだゾ。
撫でられると、痛みは薄まるって保健室のせんせーに聞いたからよ!」
『……ありがとう』
心臓が痛くなる…妖精の力を借りていないのに……。
それに、あの音は…ブロッドの溜まる音、なのかな?
だとしたら、何で私に聞こえる?
また妖精や精霊の力のせい?
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ALICE(プロフ) - sannkayouさん» ご指摘ありがとうございます!修正いたしました。 (2022年7月3日 13時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
sannkayou - 第六幕の3章57で『ナイトレイブンカレッジ』が『ナイトオブカレッジ』になっています。 (2022年6月2日 16時) (レス) @page22 id: 9daed769cc (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 麗さん» 32.37とも修正させて頂きました!!何度も誤字に関するご指摘下さりありがとうございます! (2021年2月28日 2時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 37ページ 頭)があるんだろ ) は不要ではないでしょうか? (2021年2月27日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 32ページ 何であいつ着てんの とありますが 来てんの ではないでしょうか? (2021年2月27日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年7月21日 18時