第五章 225_叫び ページ34
遠くの方で、誰かの声が聞こえる。
__………
「っ……ぇ…!」
「しっ……れ!」
「…〜!!……ゾッ!!」
__……………
「「「A!!」」」
『っぅ!?』
遠くの方で聞こえていた声が、間近で聞こえたので、ハッと目を開ける。
身体が横になる私をのぞき込む4つの影。
真っ青になってワナワナと震えているグリム君に、エース君やデュース君がいた。
その奥で、ソーマさんが魔記の筆を持ち、私を見下ろしている。
ソーマ「目覚めてよかったよ。やっぱり握るのが限界って所だな」
グリム「ふなぁ〜!A〜!!」
『……火傷は』
ソーマ「気絶してすぐに俺が治したよ。そしたらこいつ等、茂みから飛び出てきてな。どうやら盗み見されてたみたいだ」
先ほどまでいなかったエース君とデュース君。よく見れば部屋着姿のままだ。
身体震えてるし、白い息も吐いている。
『2人とも、そんな格好して…「お前は、なんでそうなんだよ」
中に戻ろうと言おうとしたが、エース君の言葉に遮られた。
冷え切った彼の手が私の頬に触れる。
エース「お前は、何にも俺らに話してくれないんだな。
何で、こんなことになってんのか…ソーマさんやグリムと何をしているのか、全部…」
『これは、私の問題だったから…2人に言うわけには』
いかないと言おうとした口を手でふさがれる。
目の前には、今にも泣きだしそうな顔をしているエース君。
エース「だからって…だからって…っ!!
お前がこんな目にあっているのに、何にも知らなくていいなんて…思ったことねぇよ!!」
静かな森に、エース君の声が木霊するこだまする。
エース「………話してくれよ、頼むから。
何も知らないで、お前がどっか遠くに行っちまったら……俺は、俺を許せなくなる」
私の頭を抱え、冷たい体で私を抱きしめた。
デュース「…A。お前が何を頑張ろうとしているのか、
僕には…分からなかった。 けど、さっきのお前を見たからわかるよ、凄く……危ない事なんだろう」
エース君と同様、不安に揺れる瞳をして、私を見つめるデュース君。
デュース「何度も言うけど、僕は馬鹿なんだ。
エースみたいに察しがよくないし、頭もよくない。
だから、お前が何を考えているのか僕はエース以上に分からない……わからないんだ」
だから、ちゃんと話してくれ。
238人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ALICE(プロフ) - ??ただのアニメ好き★さん» ありがとうございます!!もう少しでオリジナルから本編へいけそうです!今後とも応援よろしくお願いします!! (2021年6月6日 21時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - 本当に毎度毎度御話が素敵で面白いです!裏側から静かに静かに応援しています!体調にお気をつけて頑張ってください! (2021年6月6日 8時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ねぎ。さん» ありがとうございます!!就活事態もまだまだ不安だらけでこちらの方に作品を投稿できるか不安になりつつありますが、なるべく頑張ります!今後ともよろしくお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - 竜胆の瞳さん» すぐに返信ができずすいません!そのように褒めていただいて光栄です!全然更新が出来ておらず申し訳ありません。今後ともこの作品のことをお願いします! (2021年5月27日 15時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ。(プロフ) - 応援しています!!就職活動に負けないでください!!いつでも待ってます!! (2021年5月15日 0時) (レス) id: 3e04e97b77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ALICE | 作成日時:2021年4月12日 0時