第一章 59_暴君女王 ページ10
リドル「作った事が重要なんじゃない。今日!今、ここに!持ち込んだこと“だけ”が問題なんだ!」
『……ば、馬鹿じゃないですか』
私が言った言葉に、トレイ先輩達もヒヤッとしている様に見えたが、一瞬、リドル先輩の瞳の奥が揺らいだ気がした。
だけど、それはすぐに怒りに代わっている。
リドル「馬鹿…だって?」
此方を睨むリドル先輩。今までよりも強い怒りを感じて、思わず震える身体。だけど、ここで引いたら…昔の私のままだ。
『馬鹿だと思いますよ。そんな無意味なルールに従って、他者を従わせて……本物のハートの女王にでもなった気でいるんですか』
リドル「他寮生の分際でペラペラと…」
私の言葉に徐々に強張るリドル先輩の顔。
それを不味いと感じたのか、ケイト先輩は私とリドル先輩の間に入る。
ケイト「ストップ!Aちゃん!!それは言っちゃ駄目のやつ!!あと、リドル君も…!この子たち、まだ入学し立てほやほやの新入生だからね」
エース「いーや言うね!そんなルールに従ってタルトを捨てる何て、バカだって思うだろ!ふざけるなよ」
デュース「俺もエースやAに賛成です。勿論、ルールは守らないといけないものだとは思いますが…いくら何でも突飛過ぎる!」
リドル「僕に口答えとはいい度胸がおありだね。いいかい?小さなルール違反が、大きな問題に繋がるんだ」
『タルトの種類でどういう問題につながるんですか』
エース「他の奴らも、魔法封じられるのが怖くて言い出せないけど、こんなのおかしいと思ってんだろ!?」
生徒A「いや、僕たちは……」
生徒B「っ…あ、えっと…‥」
リドル「へえ、そうなのかい?」
エース君に問われて、他の生徒は口をモゴモゴと動かすが、リドル先輩に睨まれた途端、ヒッと悲鳴を上げている。
生徒A「と、とんでもありません、寮長!」
生徒B「全ては寮長のご決断次第です!」
リドル先輩を支持する言葉ばかり。
やっぱり、先輩のユニーク魔法が怖いのだろう。
リドル「僕が寮長になってから、ハーツラビュルには留年者・退学者を出していない。
これは全寮内でハーツラビュルだけだ。この寮の中で僕が一番成績が優秀で、一番強い。
だから、僕が一番正しい!口答えせず、僕に従っていれば間違い無いんだ!」
駄々っ子の様に言い放つリドル先輩。
腹立たしいし、苛々する。
___だけど、どうしてだろう。
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年7月15日 11時