第一章 57_謎の笑い声 ページ8
すると、私の恰好も制服からハーツラビュル寮の寮服デザインへ変わった。
素直に可愛い…が、言いたい事はある。
『スカートが短いのと…フリル、強くないですか』
ケイト「そう?俺的には、もっとゴリゴリフリルでも良いと思うけど〜」
『その趣味学園長だけでいい……でも、ありがとうございます』
ケイト「うんうん。女子ハーツラビュル寮服、超いけてる!もうこのままうちの寮生になる?」
グリム「それじゃあ、オレは一生ツナ缶生活なんだゾー!」
『行かないから、大丈夫だよ』
ケイト「可愛いよ、Aちゃん。もっと自信もって」
『……ど、どうも』
ケイト「可愛いよね!エースちゃん、デュースちゃん!」
クルリと先輩は背後にいた2人に聞いてきた。
聞かれると思っていなかったのか、2人はギョッとして、顔や目を逸らす。
デュース「え゛…は……はい。と、とっても…………か、可愛い、です」
エース「…………お、おう……に、似合ってる…」
『そう?ありがとう』
エース「……………ケイト先輩、グッジョブ」
デュース「ありがとうございます…ケイト先輩」
ケイト「えへへ、どーいたまして!さてさて、マロンタルトの贈り物を忘れずに。
んじゃ、パーティーへレッツラゴー!」
リドル「クロッケー大会の前にまずは乾杯を。ティーカップは行き渡ってるね?
では、誰の誕生日でもないなんでもない日を祝して
……乾杯!」
「「「カンパーイ!」」」
リドル先輩の掛け声とともに、寮生持っていたカップを頭上へ掲げ、乾杯を宣言した。
順調にパーティーが始まったところで、ケイト先輩がエース君の肩を突く。
ケイト「エースちゃん、今がチャンスじゃない?」
エース「よし……」
スゥと息を吐き、意気込むとエース君はマロンタルトが入った箱を片手に、先輩へ近づいていく。リドル先輩は優雅に紅茶を飲んでいて、機嫌はそこまで悪くなさそうだ。
エース「あの〜寮長」
リドル「君は……ああ、タルト泥棒の1年生か」
エース「えーっと、タルトを食べちゃった事を謝りたいと思って、新しくタルトを焼いてきたんですけど」
リドル「ふぅん?……‥‥…一応聞くけど、何のタルト?」
エース「よくぞ聞いてくれました!旬の栗をたっぷり使ったマロンタルトです!」
これで首輪が外れて、円満解決かな。
〈クスクス〉
その時、耳元で女の子の笑い声が聞こえた気がした。
え?と振り返るが、そこには何もいない。
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年7月15日 11時