第一章 91_大人げない ページ42
リドル「薔薇は白だっていいし、フラミンゴもピンクでいい。
お茶に入れるのは角砂糖より蜂蜜が好きだし、レモンティーよりミルクティーが好きだ。
みんなと食後のおしゃべりだってしたい……」
トレイ「リドル……?」
灰色の世界で見た、先輩の本音。
これがリドル・ローズハートさん何だ。
甘えん坊で、1人ボッチが怖くて…誰かにずっと助けてほしかった。
この小さくて、暴君と言われていたリドル先輩は、誰よりも孤独が怖い人だった。
リドル「ずっと、もっとトレイ達と、遊びたかった………っ
う、うう……うううっ……わぁあああん!」
涙を流し、号泣するリドル先輩。
そんな彼の頭を私は撫でた。
ケイト「うっそ…あのリドル君がギャン泣きしてる……」
エース「おいこら!泣けば許されると思うなよ!」
デュース「お前もたいがい空気読まないな……」
本当に色々とKYなエース君を無視し、トレイ先輩がリドル先輩の前にしゃがみ込む。
トレイ「俺も悪かった。お前が苦しんでるの知っていたのにずっと見ない振りをしていた」
リドル「うっう、うう……っ」
トレイ「だから、今日は言うよ………リドル、お前のやり方は間違ってた。
だからみんなにちゃんと謝るんだ」
トレイ先輩の言葉に嗚咽を上げつつ、リドル先輩は何度も頷いた。
リドル「……うっ、ぐす……ごめんなさい……。ごめんなさい……っ!」
泣きじゃくりながらも、私達に謝るリドル先輩。
トレイ先輩に背を撫でられ、私は彼の手を握り、泣き続けるリドル先輩を励ます。
そこで、ジッとそれを見ていたエース君が声を出した。
エース「俺、寮長が今までの行動を謝ってくれたら、言おうと思っていたことがあんスけど……」
その言葉に、皆エース君の方を見た。
……流石にこんなに泣いている子に対して、デリカシーの無い事は言わないよね?
と、思っていたが…。
エース「ゴメンの一言で済むわけねーだろ!
絶ッッ対許してやらねーーー!!!!」
ケイト「え〜っ!?この空気でそれ言う!?」
『大人気な!?』
エース「ったりめーだ!こっちは散々コケにされたわけだし?
せっかく苦労して作った手作りマロンタルトを捨てられたわけだし?」
この状態の子を見て、許してやらねーって、凄いな。
何というか、KYの域を超えている気が。
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年7月15日 11時