〈ツイステ〉ねじれた世界の御伽噺第二幕 (ページ5)

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第一章 54＿朝からガン無視ページ5

私は眼を覚ました。

『不思議な夢……‥グリム君？』

いつも隣に眠っていたグリム君がいなかった。眠い目を擦りながら机の上で焚き続けるアロマを見て、ハッと思い出した。

昨晩、心臓が痛みだしたから私だけ先に休ませて貰ったんだ。

『凄い、本当に燃え尽きてない…』

一晩焚いていたのに、全く減っていない。クルーウェル先生の言う通り、空気に触れれば何度でも使えるんだ。

火を消し、窓を開け、換気を行う。
そして、制服に着替え、下へ降りた。

＊＊＊

＿＿オンボロ寮談話室

談話室に行くと、既にデュース君が目を覚ましていた。

『デュース君、おはよう』
デュース「おはよう。よく眠れたか？」
『うん…あのグリム君は？』
デュース「あぁ。寝ているお前を起こしたくなかったから、僕達と談話室で寝たんだ」

デュース君が指さす方にはエース君の腹を枕にいびきをかくグリム君がいた。

デュース「体調は大丈夫か？」

『うん。もうすっかり。アロマが効いたのかも』

デュース「ならよかった。さて、そろそろコイツ等も起こすか。今日は【なんでもない日】のパーティーだ。遅刻したらタルトを作った意味が無い」

『そうだね…。あとさ、どうしてトランプ落ちてるの？』

デュース「昨日、寝る前にトランプ大会をしていたんだ。グリムがルールを知らないから、ババ抜きだけだったけど」

『え…楽しそう』

デュース「ハハッ。今度はAもやろう」

2人で、エース君とグリム君を起こしていたら、コンコンと玄関からノック音が聞こえた。
エース君達をデュース君に任せて、扉を開けると、ケイト先輩がいた。

『ケイト先輩、おはようございます』
ケイト「おっはー、Aちゃん。寝癖がピョコンって出てるよ～♪」
『え』

さっと先輩が指さした部分を抑えるが、ピョコンっと出ている感じがしない。
ジーッと先輩を見ると、楽しそうに笑っていた。

ケイト「ハハ、うそうそ！」
『さようなら』
ケイト「あー、待って、待って、閉めないで！ごめんってば、反応が初々しくて可愛かったから」

朝一でツーショットおけ？と聞かれたけど、『NO』と即答し、談話室へ。

ケイト「そんなに怒らないでよ、Aちゃん。怒った顔も超キュートだけど」
『グリム君、エース君、おはよう』

背後で焦るケイト先輩をガン無視して、起きた2人に挨拶する。
その様子を見て、談話室にいた3人はかなり引いていた。