〈ツイステ〉ねじれた世界の御伽噺第二幕 (ページ25)

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第一章 74＿消える痛みページ25

『……夢』

何か、現実とリンクしているなぁ…。

グリム「A～！あっ、もう起きてたんだゾ」

目を開けると、談話室の天井とグリム君の顔が見えた。
作戦会議してて、このまま寝ちゃったのか…。

こっちを見てくるグリム君の頭を撫でる。

『おはよう、グリム君』

よく見ると、寝坊助のエース君が早起きしていた。
しかも寮服もしっかりと着こなしている。

エース「今日は決戦日だ！さ、行こうぜ！」
デュース「あぁ、首輪をきっちり外してもらう！」
『…あ、その前に寮服に着替えていいかな？』

そういうと、2人は固めていた拳をさっと納め、グリム君を抱えた。

エース「そ、その…外で待ってる」
デュース「あ、あぁ。ゆっくりでいいから」
『い、いや、すぐ着替えてくるよ』

テンションを下げてしまった事を少し反省しつつ、自室へ急ぎ、制服から寮服へ着替え、3人の元へ急ぐ。

階段をおり、後は玄関の扉を開けるだけ……だった。

＿＿＿＿＿＿＿ポタ、ポタッ…ポタン

【お誕生日だけ___イチゴ___た__いよ】

あの痛みと共に、謎の音と男の子の声が聞こえた。
痛みのあまり、その場にしゃがみ胸を抑える。

『っ…だ、め』

今ここで意識を失う訳にはいかない。
昨日トレイ先輩にも伝えたんだ。

エース君達だけ、戦わせたりしない。
役立たずの魔法無しでも、何かの役に立つんだ。

『っ…収まって…お願い』

蹲り、痛みを抑える。
今、扉を開けたら、3人に心配される。

寮に残れと、俺達がやるから、と言われる。

そんなお荷物、絶対嫌だ＿＿＿お願い、止まって。

【クスクスいいよ、治してあげる】

笑い声と共に聞こえた女の子の声、今は痛みで振り向けない。
悶絶しそうだった瞬間＿＿キラリと光る粉のようなものが見えた。

刹那、

『っ…はぁ…はぁ』

痛みが急激に収まっていく。
もう、手を放しても痛くはない。

『…誰？』

後ろを振り返って確認するが、誰もいない。

ゴーストさん達でもない…一体誰が……。

(ドンドン)

エース「A～？終わったのか？」
デュース「階段から降りる音がしたが、何かあったのか？」

『！…な、何でもない、今行く』

今は気にしていられない。
私は、オンボロ寮の扉を開いた。

クスクス、と耳元で笑い声が聞こえて気がした。