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第一章 5_無防備すぎる エースSIDE ページ6

欠伸をするグリム君を見送り、私は机の上を片づける。

厨房から談話室に戻り、洗っておいた1枚の毛布を眠るエース君にかぶせる。
身体、傷めないかな‥?



『それじゃあ、おやすみ。エース君』


眠るエース君の背にそう言い、私も自室へ戻った。





**






エースSIDE



エース「………たくっ」

Aから被せられた毛布を手に、起き上がる。
もうAとグリムは自室へ行っちまって、談話室は静かになっている。


首輪のせいで寝にくいし、グリムなんかに呆れられるし、ソファ硬ぇし………散々だ。
クソ、あの寮長…タルト一切れ位で。


エース「………もう寝たかな」


今の内にちゃっかりベッドにでも忍び込んでやろーか。
狭かったらグリム退かしてやろう。

ちょっとした悪戯心も含め、俺は談話室を出た。






___……







エース「…おっ、ビンゴ」


2階へ上がり、一発目で2人…というか1人と1匹が寝てる部屋を発見できた。
部屋の中央にあるベッドではA達が眠っている。


このまま大声とか出したら、どーいう反応するかな〜♪


わりと最低だと思うけど、好奇心が勝ったので、そっと、ベッドの脇に近付く。
腹を出して寝息を立てるグリムと、規則正しい寝息をたてるAが眠っていた。



脇に立ったので、スゥと息を吐き、大声を出そうとした、その時__。


『………さ、ん』

エース「!?」



パッと口を塞いだ。ヤベッ…起きた?
そっと顔を覗き込むが、瞼は閉じられたままで、胸を撫で下ろした。


『……かぁ…さん』
エース「!」



Aの口から出た言葉に驚く。

そういえば、コイツ、母親に凄ぇ事言い聞かせられて育ったんだっけ。
たく、自分の子供に不幸とかいうか?


そっと、Aの目にかかった長い前髪に手を伸ばし、払う。

うぅ、んとくすぐったいからか身をよじらせるA。
あの時見た、綺麗な蒼色は隠されている。


エース「……………あんま無防備だと、食われちまうぞ」


Aの顔の横に手を突き、顔を近づける。
もう少しで唇に届く‥‥と思ったが、長い尻尾がバシッと頬に当たり、それが遮られた。


グリム「ふな゛ぁ…それは、オレ様の…ムニャムニャ」
エース「……」


無言で尻尾を払いのけ、さっとAから離れ、自室からも出た。
扉に背をつき、そのままズルズルと座り込む。



エース「っべねぇ………手出しかけた」


ここ、男子校だって事、あいつもうちょい理解してくれよ。

第一章 6_あの時の夢→←第一章 4_大きい子供



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作品ジャンル:恋愛
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 細かなご指摘ありがとうございます!修正させて頂きました!! (2021年2月28日 2時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 40ページ 買主 ではなく 飼い主 ではないでしょうか?? (2021年2月26日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - エマさん» 修正させて頂きました!ご指摘の程、ありがとうございます! (2020年9月13日 0時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
エマ - 真紅の暴君編38で精製が清々になってました (2020年9月12日 23時) (レス) id: 36990451b2 (このIDを非表示/違反報告)
桜日沙霧(プロフ) - グリムぅぅぅぅぅぅぅ邪魔すんなああああああああ (2020年8月2日 18時) (レス) id: 3481591f62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ALICE | 作成日時:2020年7月14日 1時

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