第一章 47＿デュースの過去 ページ48
デュース「“ごとき”かどうかはお前らが決めることじゃねぇ！
この卵はなァ、雛になれないかわりに美味いタルトになる予定だったんだぞ！！
分かってんのか、えぇ！？」
不良B「ヒッ、き、急になんだ、コイツ！？」
デュース「卵6個分。弁償しねぇっつーなら6発てめーらをぶっ飛ば。歯ァ食いしばれやゴルァ！！」
袋を私に押し付け、デュース君は制服を捲し上げて、先輩達に殴りかかる。
まずい、早く止めないと。私は、グリム君に袋を預け、デュース君の前に出た。
デュース「！？」
私だと分かって、拳を止めるデュース君。
『デュース君、もう6発以上殴ってる。先輩達もまだ殴られたいですか？』
不良A「も、もういいです！」
不良b「鶏さんごめんなさーい！！」
デュース「チッ……今度卵食う時は100回謝ってから食え！ダァホが！！」
そして、デュース君の最後の怒鳴り声を合図に、不良さん2人は去って行った。
デュース「はぁはぁ…‥…あぁ！？」
グリム「どうしたんだゾ！？」
突然声を上げるデュース君にビックリする私とグリム君。
デュース君は肩を落とし、凹んでいた。
デュース「や、やっちまった…。今度こそ、絶対、絶対優等生になろうって思ってたのに……！」
『ど、どういう事？』
デュース「俺はミドルスクールの頃、とにかく荒れてて、しょっちゅう学校サボって毎日喧嘩に明け暮れていたんだ。先生の名前は呼び捨て、悪い先輩とツルんでたし、髪の毛もメチャクチャ脱色してた。マジカルホイールで峠も攻めてたし……。
魔法を使えないヤツに魔法でマウントを取ったりするどうしようもない不良だったんだ」
グリム「今時なかなか見ないくらいテンプレな悪なんだゾ！」
デュース「でも、ある夜……。
俺に隠れて泣きながら婆ちゃんに電話してる母さんの姿を見ちまったんだ。
自分の育てかたが悪かったんじゃないか、片親なのがよくなかったんじゃないかって」
あぁ、だからさっきお母さんの事で悲しい顔をしたんだ。
デュース「そんな訳ねぇのに。母さんは何も悪くねぇ。悪いのは全部俺だ。
だから、名門ナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来た時、すげー喜んでくれた母さんを今度こそ泣かせないって決めた。
俺は今度こそ、母さんが自慢できる優等生になろうって決めたんだ。
…………なのに、ちくしょう！」
デュース君は拳を地面に叩きつける。
ずっと一生懸命だったのはもうお母さんを悲しませないようにする為にする為だったのか。
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ALICE(プロフ) - 麗さん» 細かなご指摘ありがとうございます！修正させて頂きました！！ (2021年2月28日 2時) (
レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 40ページ 買主 ではなく 飼い主 ではないでしょうか?? (2021年2月26日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - エマさん» 修正させて頂きました！ご指摘の程、ありがとうございます！ (2020年9月13日 0時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
エマ - 真紅の暴君編38で精製が清々になってました (2020年9月12日 23時) (レス) id: 36990451b2 (このIDを非表示/違反報告)
桜日沙霧(プロフ) - グリムぅぅぅぅぅぅぅ邪魔すんなああああああああ (2020年8月2日 18時) (レス) id: 3481591f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALICE | 作成日時：2020年7月14日 1時
