〈ツイステ〉 ねじれた世界の御伽噺 第十四幕

第五章 137＿ちょっと複雑　エペルSIDE ページ43

エペルSIDE




『ありがとう』



感謝される理由がわがらねぇ。

俺とデュースは、ただ…叫んでただけだ。
やけくそに叫んで、やけくそに決意固めただけなのに…なげに、こな感謝されるっけ？




………でも、なんだろう。




Aサンはどっか救われたみてぇな……スッキリした顔してる。



俺らが2人で決心して、行きついた答えによって、彼女にとってもいい方向へ向かった…てことか？




…Aサンは、正直よく分からない。




学園唯一の女子で、なんでか入学認められとる。
B組で一匹狼っぽいジャック君も気を許してたけど・・。




女子なんに、ついていけるんか？と思っていたけど…体育じゃ俺より体力ありゃし…勉強での成績も結構高ぇ。


魔法があったら、完全な優等生。




女子なんて、うちはばっちゃんが多かったから…同い年の女子おらんかったし、よくわからんけど………



Aサンは…………めごいと思うし、今の笑顔もめごいと思った。



けど、どっかさびしそうな感じがした。





ヴィルサンやルークサンがよく言ってた……“はかない”？って感じ？




“がんばっていくね”って言う事は、Aサンもわーと同じように、悩みかかえとるはんでか？



吐き出してぇ事があんなら、わーやデュースと同じように吐き出せやぁいいと思うのに、それができへんほど、悩んでるんかな？




こういう時、何て言葉かけたらえぇんか、わからん。
でも、無理やり聞くのは…いけない気がする。





俺はそう結論づけて、「うん」とうなづいた。
それと同時に、デュースも「おう」と言っていたから、多分…同じ事思っていたんだろ。




デュースと俺が似てるって…結構マジなんかも。









……………あと、やっぱり…Aサンの笑顔、めごいなぁ。

女の子だから…とくべつなんかな？









…俺があぁ、見られているとしたらちょっと複雑だけど。

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