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第五章 10_隣人の協力 ページ11

クルーウェル「ほぉ、ロラマンドリか…手名付けるとは中々だな。
サラマンダーの一種でもあるから、人間に対しては攻撃的な部分もあるのだが…」

『何か懐かれました』

クルーウェル「…」


ふと、クルーウェル先生がロラ君から先ほど愚痴を言っていた生徒に目を移す。



クルーウェル「丁度いい。A、その隣人に協力を頼み、俺に攻撃してみろ」

『え』

クルーウェル「これまでの一件を聞いてはいる。隣人に協力を申し込み、何度も助けられた…と。
人間に対して非協力である隣人たちに対して、よくやったものだ。
それを今、ここで見せてみろ」



どよめくクラスメイト達だが、私も目を点にしている。
…これは気を使われているのかな、もしかして。



クルーウェル「早くしろ、躾けられたいのか」
『あ、はい』



いや、この目はマジだ。ロラ君を抱えて立ち上がる。



エース「だ、大丈夫なの?」
『…うん、何とか』
デュース「何とかって…クルーウェル先生も無理強いしないだろうし…」
グリム「心配すんなっうの!Aは大丈夫なんだゾ!」



心配顔のエース君達を他所にどこか余裕そうなグリム君。
その様子に?を浮かべる2人だが、私は笑みを浮かべ、グリム君の頭を撫でる。


『うん、それじゃあやってくるね』


ロラ君を机に置いて、その鱗を優しく撫でる。



『…お願いします、ロラマンドリ』




いつもの呼び方ではなく、正式な名称でそう呼ぶと彼は【ヴァッグ】と柔らかい声ではなく、渋い声で答える。


クルーウェル先生がジッと私達を見つめる中、私は両手をロラマンドリの方に差し出す。




『…“火種を灯せ 夜の虚ろを晴らす様に
 
  火種を廻せ 不浄の影を滅するように
 
輪廻を回し 其方の紅蓮で舞い踊れ”』



グルリと私とロラマドリの周囲に炎で出来た輪っかが浮かび、小さい炎から大きく形を作ると、私の差し出した腕に応答するようにクルーウェル先生に向かって行った。




クルーウェル「……っ!」




指し棒を一振りして、“最初”の炎を防いだが、第二に来た大きな爆炎を見て、顔色を変える先生。


不味い…と思ったが…次の瞬間。



クルーウェル「…You still have a ways to go」



ポンッと指し棒を爆炎に向けて振ると、一瞬で大きな水の塊が炎を包み、爆炎を消し去った。


それに私もロラマンドリも、クラスメイトも唖然とする。
あんな大きな爆炎すら…いとも簡単に…。
しかも駄目だしされてしまった。

第五章 11_成長した証→←第五章 9_絶えない陰口



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ぬこ - オリキャラ苦手だけどこの作品は好きだわぁ( ˇωˇ ) (2023年3月1日 1時) (レス) id: 73e65e112f (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - あぁぁぁぁぁもうありがとうございます。早速読んできます。 (2020年9月15日 0時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 早速のコメントありがとうございます!ヴィル先輩のユニーク魔法、気になりますよね。今回、オバブロするのは誰なのかもまた気になる話です!更新を順々に進めて行きますのでよろしくお願いいたします (2020年9月14日 22時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 来ました!!!!五章!!!!今後も更新を楽しみに待っています!!!!あとヴィルさんのユニーク魔法が物凄く気になる!! (2020年9月14日 22時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ALICE | 作成日時:2020年9月14日 22時

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