第五章 11_成長した証 ページ12
クルーウェル「A」
『は、はい…え、えっと…まだまだですいませ…っ』
すいません…と続けようとした口に指し棒をつけられ、言葉を止める。
先生の手が此方に向かったので思わず目を瞑ったが…次に感じたのは頭に置かれた感触。
クルーウェル「Good girl。見事だ」
『え…』
クルーウェル「粗削りでまだまだ改善の余地はある…‥‥だが、一学期から感じていた焦りや戸惑いはない。その形が…第二の爆炎だろう。
隣人の特性をちゃんと理解し、自身の創造をはみ出さず、よくぞ使役出来たな」
ポンポンッと優しく頭を撫でられ、俯いてしまう。
何か…嬉しいけど…恥ずかしい。
クルーウェル「それに、一学期に俺が教えた炎を増加させる詠唱も用いていたな」
『あ、はい…えっとロラマンドリなら、効果はあるかな…て』
クルーウェル「よく勉強してある。駄犬のように騒ぐ連中とは、大違いだな」
ジロリとクルーウェル先生が先ほど愚痴を言っていた生徒を睨む。
自分達の事を言われていると分かったのか、さっと目を逸らしていた。
クルーウェル「このように、予習復習が肝心だ。
あらゆる事態でも役に立つことはあるからな。A、席に戻れ」
『は、はい』
クルーウェル「実践を終えて、課題を満たしていない仔犬共は並べ。
お前達には俺特性の課題資料を与えてやる」
席に戻り、防衛実践が出来ていない生徒達は渋々とクルーウェル先生の所に並んでいる。
エース「お前、身体大丈夫なのか?」
デュース「以前はふらついていたが…今は無いのか?」
『うん。もうアレは大丈夫だよ』
グリム「おう、Aはもう大丈夫なんだゾ!」
エース「…お前等、なーんか隠してねぇか?」
デュース「確かに…それにさっきからグリムの余裕そうな顔も気になる」
グリム「にゃに!?な、にゃにもないんだぞ!」
『‥アハハ』
2人のジト目にグリム君は焦って、私は苦笑いするしかなかった。
**
__夜 オンボロ寮
『………ふぅ…っぃ』
オンボロ寮の自室にて、とある“作業”を終えた私は熱がこもった両手を水で冷やしていた。
足元にはロラ君がいて、心配気に私を見上げている。
『大丈夫だよ、ロラ君』
冷やして手をタオルで優しく拭いてから、ソーマさんに貰ったある物を掌に垂らす。
するとジクジクと痛んでいた傷口がスーッと治って行き、元に戻った。
『はぁ…まだまだかかるな』
ポツリと呟き、ロラ君を抱え上げる。
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ぬこ - オリキャラ苦手だけどこの作品は好きだわぁ( ˇωˇ ) (2023年3月1日 1時) (レス) id: 73e65e112f (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - あぁぁぁぁぁもうありがとうございます。早速読んできます。 (2020年9月15日 0時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 早速のコメントありがとうございます!ヴィル先輩のユニーク魔法、気になりますよね。今回、オバブロするのは誰なのかもまた気になる話です!更新を順々に進めて行きますのでよろしくお願いいたします (2020年9月14日 22時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 来ました!!!!五章!!!!今後も更新を楽しみに待っています!!!!あとヴィルさんのユニーク魔法が物凄く気になる!! (2020年9月14日 22時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ALICE | 作成日時:2020年9月14日 22時