検索窓
今日:13 hit、昨日:8 hit、合計:272,320 hit

第五章 11_成長した証 ページ12

クルーウェル「A」
『は、はい…え、えっと…まだまだですいませ…っ』


すいません…と続けようとした口に指し棒をつけられ、言葉を止める。
先生の手が此方に向かったので思わず目を瞑ったが…次に感じたのは頭に置かれた感触。



クルーウェル「Good girl。見事だ」

『え…』

クルーウェル「粗削りでまだまだ改善の余地はある…‥‥だが、一学期から感じていた焦りや戸惑いはない。その形が…第二の爆炎だろう。
隣人の特性をちゃんと理解し、自身の創造をはみ出さず、よくぞ使役出来たな」



ポンポンッと優しく頭を撫でられ、俯いてしまう。
何か…嬉しいけど…恥ずかしい。



クルーウェル「それに、一学期に俺が教えた炎を増加させる詠唱も用いていたな」

『あ、はい…えっとロラマンドリなら、効果はあるかな…て』

クルーウェル「よく勉強してある。駄犬のように騒ぐ連中とは、大違いだな」


ジロリとクルーウェル先生が先ほど愚痴を言っていた生徒を睨む。
自分達の事を言われていると分かったのか、さっと目を逸らしていた。



クルーウェル「このように、予習復習が肝心だ。
あらゆる事態でも役に立つことはあるからな。A、席に戻れ」

『は、はい』

クルーウェル「実践を終えて、課題を満たしていない仔犬共は並べ。
お前達には俺特性の課題資料を与えてやる」



席に戻り、防衛実践が出来ていない生徒達は渋々とクルーウェル先生の所に並んでいる。



エース「お前、身体大丈夫なのか?」

デュース「以前はふらついていたが…今は無いのか?」

『うん。もうアレは大丈夫だよ』

グリム「おう、Aはもう大丈夫なんだゾ!」

エース「…お前等、なーんか隠してねぇか?」

デュース「確かに…それにさっきからグリムの余裕そうな顔も気になる」

グリム「にゃに!?な、にゃにもないんだぞ!」

『‥アハハ』



2人のジト目にグリム君は焦って、私は苦笑いするしかなかった。


**



__夜 オンボロ寮






『………ふぅ…っぃ』



オンボロ寮の自室にて、とある“作業”を終えた私は熱がこもった両手を水で冷やしていた。
足元にはロラ君がいて、心配気に私を見上げている。


『大丈夫だよ、ロラ君』


冷やして手をタオルで優しく拭いてから、ソーマさんに貰ったある物を掌に垂らす。
するとジクジクと痛んでいた傷口がスーッと治って行き、元に戻った。


『はぁ…まだまだかかるな』


ポツリと呟き、ロラ君を抱え上げる。

第五章 12_ボーカル&ダンスチャンピオンシップ→←第五章 10_隣人の協力



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (284 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
648人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぬこ - オリキャラ苦手だけどこの作品は好きだわぁ( ˇωˇ ) (2023年3月1日 1時) (レス) id: 73e65e112f (このIDを非表示/違反報告)
ブルーフェザー(プロフ) - あぁぁぁぁぁもうありがとうございます。早速読んできます。 (2020年9月15日 0時) (レス) id: d01e8aaa3e (このIDを非表示/違反報告)
ALICE(プロフ) - ウミソラさん» 早速のコメントありがとうございます!ヴィル先輩のユニーク魔法、気になりますよね。今回、オバブロするのは誰なのかもまた気になる話です!更新を順々に進めて行きますのでよろしくお願いいたします (2020年9月14日 22時) (レス) id: 8355c0cb19 (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - 来ました!!!!五章!!!!今後も更新を楽しみに待っています!!!!あとヴィルさんのユニーク魔法が物凄く気になる!! (2020年9月14日 22時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ALICE | 作成日時:2020年9月14日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。