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ミーンミーンと教室の外からみんみん蝉の鳴き声。
まだ朝の8時半前だというのにじめじめとしたこの暑さ。
私の通うこの学校には各教室にクーラーが設置されておらず、家庭においてあるような扇風機が1台あるだけ。
しかし、その扇風機もクラスメイトがよってたかって囲んでいるので私に風は全くあたらない。
「あっつい……」
授業で使うために持ってきている赤下敷きを使ってあおぐが、ほとんどがぬるい風。
もう、あおぐのも面倒くさくなってしまい、机に突っ伏していると首もとにふんわりと優しい冷たい風が流れた。
「おはよう、瀬川さん」
そこに立っていたのは暑さで火照った赤い頬を見せた隣の席の黄木るぅとくん。
手には小さめのハンディファン。
「きっ、黄木くん……?!おはよう……」
暑さで机に突っ伏していた恥ずかしさから自然と声が小さくなってしまう。
「今日、暑いですよね。あっ、このハンディファンのことは内緒ですよ?」
そう言って、黄木くんは口に人差し指をもっていき、しーっとジェスチャーをした。
「うん……ありがとう」
今日の夏も一段と暑い。
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きキ(プロフ) - パスタさん» ありがとうございます〜!!自分のペースで頑張らせていただきます…! (2021年4月26日 8時) (レス) id: 937d8618c2 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ - 更新頑張ってください (2021年4月26日 7時) (レス) id: ea8636738a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:といぷ~ | 作成日時:2021年4月25日 9時