蘭華さんのお節介 ページ24
「ん…」
目を開けばどこか見覚えのある天井が目に入った
嗚呼ここは藤岡家なんだ
そう理解するのは一瞬の事だった
「おはようAちゃん」
「なんであれほど嫌だと言ったのに連れてきたんですか」
「ごめんなさいねいきなり寝ちゃった女の子をそのまま放置しとくなんてさすがにできなかったのよ」
蘭華さんはそう話すが私はしっかりと覚えている
”ごめんなさいねAちゃん”
意識を手放す寸前に蘭華さんが私に謝ったのだ
その時はわからなかったが今ならわかる
それは嫌がる私を無理やり家に連れ込むようなことをしてごめんなさい
そういう意味だったのだろう
「蘭華さんは私とハルヒを会わせてどうしたいんですか？」
「私がどうしたいじゃなくて、あなたがどうしたいかなの本当はハルヒに話聞いてもらいたいんでしょ？」
「え…」
思わぬ話に思わず黙り込む
私がハルヒに話を…？
まさか、そんなはずがない
私はそういいきかせてモヤモヤする心に気づかないようにした
「ただいま〜ってA!?」
声がする方に顔を向ければ制服姿のハルヒが立っていた
「ハルヒおかえり〜」
「…」
1番会いたくない人にあってしまった
その思考が私の頭を支配する
「それじゃ蘭華さん私はもう帰りますね」
できるだけハルヒと目を合わさないように立ち上がりハルヒの横を通り過ぎようとした時だった
「待ってよA！」
以前より大分肉が着いた手首をハルヒの小さな手が掴んだ
「Aもしかして馨となんかあった？
今日一日中馨の様子がおかしくて、環先輩達が何をしてもダメで…」
「へー…」
「へーって…」
「だって私にはもう関係の無いことだもん」
私のその一言でその場の空気がピシッと凍りついたのがわかった
「関係ないって…同じ部活でしょ？」
「もう退部届け出してるから私はあの部にもう関係ない」
退部と退学の手続きは向こうでやってくれると聞いているおそらくもう済ましてあるだろう
「だとしても婚約者でしょ？」
「もう解消したから！」
ハルヒの優しい声色に対し、私が放った声は怒気を含んだなんとも醜いものだった
「だからあの部活とも学校とも…”貴方達”とももう関係はない…」
ハルヒは面食らったような顔をし、一瞬だけ握る力が緩んだ
私はその一瞬を見逃さずハルヒの家から飛び出した
「これで…良かったんだ…」
後悔なんてしてない
してないはずなのに
・
頬に滴る水滴が止まらないのは何故だろう…
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今田海(プロフ) - 皆様応援のコメントありがとうございます！また、お待たせして申し訳ありません！もう少しで完結予定なのでさいごまでつきあってくださいｗ (2022年1月9日 21時) (
レス) id: 18f85643d8 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 勉強頑張って下さいね‼︎応援してます！ (2022年1月9日 15時) (レス) @page39 id: 14c6c9d1aa (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしています！ (2022年1月6日 19時) (レス) @page37 id: 067dc39dbf (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新が楽しみです。 勉強頑張って下さい。 (2021年12月18日 22時) (レス) @page38 id: 0c7821053f (このIDを非表示/違反報告)
稔(プロフ) - 結ばれてくれ……(´；ω；｀) (2021年9月10日 2時) (レス) id: 42f497df3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：今田海 | 作成日時：2020年10月20日 6時
