小さな奇跡〜LilMiracle〜 4

見えた ページ19

風雅side


心配やねん。めっちゃ心配やねん。

龍太くんにしかAのこと好きなこと言ってなかったのに、なぜか流星くんと道枝くんに疑われて、言ってもた



始業式中もさ、道枝くんと目あったらニヤニヤされたし、誰にも言ってませんように…



A「どうしたん？なんか、朝からボーッとしてんなー」

隣の席のAが心配してくれる。けど、そんな好きな人にも冷たくしちゃうねん。


「うん、なんでもないから」

A「なにわのツアーのバックにも決まって、まぁ悩みも増えるよなー」

「そんなんちゃう」

A「珍しっ、風雅がそんなに悩んでんの。まぁ、ゆっくり一人で考え、こたちゃんの席で皆話してるし、行ってくるな？」

Aのことで悩んでんねん。やのに、お前がおらんかったらどうしろって言うねん。

席を立とうとしたAの腕を掴む。


「行くなや///Aがおらな、今日は落ち着かん///」
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Aside

「え？」

風雅、最近おかしいで。
めっちゃ甘えてくるやん。


拓哉にしても、風雅にしても、好きな人おるのにほんま、なんでこんなドキドキさせてくるん。


「仕方ないなー笑おったるわ笑」

いっこうに手を離そうとしないから、椅子を風雅の席に近づける。

膝、当たっちゃいそうやな。


きっと、こんな光景を何も知らない人が見たら、付き合ってるんやって思うと思う。
けど、ここの教室におる人はメンバーってことを分かってるから、何も言って来ない。

机に突っ伏して顔だけ私の方を見てる風雅に、ドキドキしてることなんて知らずに…。

でも、メンバーは絶対思ってる。
『なんで、こっち来んのやろ？』って。



でも、なんか、私も今は、風雅と2人でおりたい気分やな…。









未来のことは分からない。けど、私は見えた。

未来の自分は、拓哉か風雅…
どちらかのことを、好きになってる。気持ちが抑えられないくらいに、大好きになってる。





向こうに見える優しい笑顔と、目の前に見える私を見つめるまっすぐな目。

私が惹かれてるのは、どっちなんやろ…

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