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それから、落ち着くまで隣にいてくれた裕太。
玉「いいの?このままで。
すぐ卒業式になっちゃうよ?」
そう言って心配そうに見つめられる。
…自分でも心の底からそう思ってる。
でも…
「………。」
玉「 …まぁ、複雑だな。」
“しっかり考えて、後悔しないようにね?”
そう言ってぽんぽんっと頭を撫でてくれた。
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その日の夜。
バイトが終わって店を出たら、
北「…よ。」
店の前で待っていた宏光先輩。
戸惑う私を見て苦笑いすると、“ ちょっとだけ、時間ちょーだい ” って言って、ぽいっと投げて渡されたあったかいお茶のペットボトル。
北「…いつものじゃないけど。」
そう言って笑う先輩。
下瞼にできる独特の笑い皺が好き。
本当はずっと見てたいけど、先輩の顔を見るのが苦しくて、歩き出した背中に少し遅れてついていくのがやっとで。
小さいはずなのにすごく大きく見える、この大好きな背中も、あと少しで見られなくなるんだ…。
そんなこと考えながら歩いてたら、家の近くの公園で足を止めた宏光先輩。
ベンチに座る先輩の横に、少し間をとって腰を下ろした。
北「…………ごめんな。」
少しの沈黙の後、先輩がこっちを向き直ってそう言ったからびっくりして
「…え?」
北「俺、こないだ余計なこと言って。
Aの気持ちとか何も考えずに
あいつと付き合えばいい、とか…。」
いつも大事な話は絶対に目を見て話すのに、先輩の視線は斜め下から動かない。
「……私も…偉そうなこと言っちゃったし。」
北「あの時、絶対俺のこと避けてんのに全然本当のこと言わないから、気づいたら意地になっててさ。
でも初めてAのあんな怒ったとこみて、やっちゃったってすげー思って。」
「……。」
北「謝ろうって思うのに学校では会えないし、家行った時も毎回バイトでいないって言われて。
今まで行ったらだいたい家にいたのにさ?
…あー俺、本気で嫌われちゃったんだと思った。」
寂しそうに笑った先輩。
……嫌いになんてなるわけない
大好きなんだよ、先輩が。
だからショックだったんだよ。
心の中で何度も繰り返すのに、その言葉が口から出ることはなくて。
「…もう、気にしてないですから。」
そう言った私をじっ、と見てから息を吐いて
北「このまま…卒業までずっと俺と会いたくなかった?」
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ななこ(プロフ) - こたえあわせ、めちゃくちゃ好きで何回も読み返してます!もし良かったらこの話のAfterstory的なもの書いて欲しいです…! (2021年3月25日 1時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» お返事遅くなってすみません!兄のきもち、楽しんで頂けてよかったです(*^^*)鈍感かと思いきや、1番鈍感じゃない、っていう雄平さん。(笑)遅くなりましたが、移行しましたのでそちらも是非読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月22日 2時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 兄目線、面白いです!!2人を見てきたお兄ちゃん……続き待ってます! (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8e7e67402b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - piroponcandyさん» 長いことお付き合い頂いてありがとうございました!(笑)おまけもつけてみたので、ぜひ読んでくださいね◎ほんと、主人公羨ましい。(笑) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» コメントありがとうございます!!本当ですか〜(;_;)そんな風に読んでいただけていて、すっごく嬉しいです…!おまけも更新したので、ぜひそちらも読んで頂ければ(*^_^*) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nico | 作成日時:2019年2月23日 23時