ちいさな恋 4th

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……え？







A「この前も違うって言ったじゃないですか…。」






「いや！だってお前…、」




…じゃーあの辛そうな顔は一体なんだったんだよ？




A「藤ヶ谷先輩はお世話になってる先輩で…でもそれ以上でもそれ以下でもないです。」








じゃーあの “ 先輩 ” って…？






「…“ 妹じゃない ”って…誰のこと言ってたの？」




そう聞くと、みるみる赤く染まっていくAの頬。






A「…ごめんなさい。それ、ほんとに覚えてなくて。」



恥ずかしそうに目を逸らすけど…それって






.








「……俺？」







一か八か。

確信なんて全くないけど
これで違ったらマジでどうしようもないけど

…そうであって欲しい。


そう願いを込めて聞くと、


バッ、と赤い顔でこっちを見てすぐに俯いたA。







「……そんなの…違います。」






聞こえてきた小さな声。








「A…こっち見て？」







A「……やです。」









「ちゃんと顔見て違うって言ってよ。」





そう言うと下唇を噛み締めて、怒ったようにこっちを向いたA。






今こんな顔してくんのは反則だって。


そんな可愛い顔で睨まれてもさ…。






A「なんで？」





「え？」







A「…なんで見つけちゃうんですか。








……宏光先輩はいっっつもそう。」









「え、…なにが？」







A「どうして見つけてほしくない時に限って、私のこと見つけちゃうんですか…。」




潤んだ瞳がゆらゆら揺れる





「わかんねーよ。




……でも俺、昔っからお前のこと見つける才能だけはあるみたい。」







A「……私の気持ちは

ちっとも見つけてくれなかったのにな。」





震える声でそう言って俯くから、

思わず腕を引くと、トン、と肩に乗ったおでこ。

今度は何の抵抗もなく腕の中に収まった。








A「一生懸命さよならしたのに

先輩に見つかったせいで、全部台無しです。」






「…A、」




A「…先輩が、もっと意地悪で嫌な人になってたら良かったのに…っ



全然変わってないからっ、





…また、好きになっちゃうじゃないですか…っ。」




“ だから会いたくなかったのに。”





そう言うAを


堪らなくなって思い切り抱き締める


緩く回ったAの手が、スーツのジャケットをきゅっと握った。









A「先輩…



私、妹じゃないよ…？」

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