* ページ4
.
それからは、先輩に徹底的に会わないように過ごしていて。
冬になって宏光先輩が無事に大阪の大学に合格したことを耳にしたけど、それでも顔を合わせる勇気は無かった。
今までほとんどやる気のなかったバイトも週5で入って、同じく受験の終わったお兄と遊ぶために家に来くるかもしれない先輩とも会わないようにした。
…それくらい、先輩に言われた言葉はショックが大きかった。
でも、だからって裕太と付き合うって言う考え方はできなくて。
気持ちには応えられないことを伝えると、 “ わかってたよ。”って。
今までと変わらずに友達として過ごしたいって言ってくれた裕太に甘えて過ごしている私。
…卒業式までは、あと2ヶ月。
ある日、朝から寝坊して水筒の準備をすっかり忘れて登校してしまって。
お昼になって、仕方なく自販機に向かおうとしていたら、
玉「待ってA、俺も今日お茶買ってくんの忘れたから行く。」
て言う裕太と一緒に食堂まで歩く。
自販機に着いて、飲み物を選ぼうとしたら、斜め前から歩いてきた宏光先輩と目があった。
一瞬時が止まったみたいに、先輩が驚いてこっちを見てるのが目に入ったけど、突然のことに心臓が跳ねるほど驚いて、すぐに目をそらしてしまった。
平然を装ってパックの烏龍茶を買い、隣の自販機でジュースを買った裕太の横に並んで、元来た道を戻る。
ドキドキが治らない。
…何で会っちゃうかな。
玉「……A?大丈夫?」
心配そうにこっちを覗き込む裕太。
「…ん?何が?(笑)」
玉「…北山先輩、いたね。」
「ん…そうだね。」
玉「…よかったの?」
「何で。(笑) 」
そう言うと、人の波から外れたところで足を止めてこっちを向き直った裕太。
玉「…A、全然笑えてないよ?
最近ずーっと無理してる。」
“ でしょ?”
真っ直ぐこっちを見ながら、あまりにも優しい声でそう言う裕太の顔を見てたら、ずっと我慢してた気持ちがこみ上げてきて、ポロッと涙がこぼれてしまった。
玉「あーあーあーあー。(笑)
泣くなー、Aー。」
周りから見えないように回り込むと、指で優しく目元をぬぐってくれて。
その温もりが優しくて。
「うぅーーー。」
って泣き出してしまった私に、
玉「ばかー、俺ハンカチ持ってないんだぞー。」
って、笑いながらシャツの袖で涙を受け止めてくれた。
783人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななこ(プロフ) - こたえあわせ、めちゃくちゃ好きで何回も読み返してます!もし良かったらこの話のAfterstory的なもの書いて欲しいです…! (2021年3月25日 1時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» お返事遅くなってすみません!兄のきもち、楽しんで頂けてよかったです(*^^*)鈍感かと思いきや、1番鈍感じゃない、っていう雄平さん。(笑)遅くなりましたが、移行しましたのでそちらも是非読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月22日 2時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 兄目線、面白いです!!2人を見てきたお兄ちゃん……続き待ってます! (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8e7e67402b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - piroponcandyさん» 長いことお付き合い頂いてありがとうございました!(笑)おまけもつけてみたので、ぜひ読んでくださいね◎ほんと、主人公羨ましい。(笑) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» コメントありがとうございます!!本当ですか〜(;_;)そんな風に読んでいただけていて、すっごく嬉しいです…!おまけも更新したので、ぜひそちらも読んで頂ければ(*^_^*) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:nico | 作成日時:2019年2月23日 23時