＊ ページ26
.
いい時間になり、先輩にお礼を言って駅に向かおうとすると引き止められて。
1人で帰れるのと、
…1人で帰りたかったのと。
両方の気持ちで断ったのに、その途中で躓いてしまって
そしたらぐいっと手を引っ張られて、気がついたら宏光先輩の肩に頭を預ける形になってた。
一気に感じる宏光先輩の体温と香りに頭がうまく働かない
離れようと顔を上げると、すぐ近くで先輩と視線がぶつかった。
……普通の男女ならきっと、相手のことを意識する近さだと思う。
こんなに近くで見つめてるのに
どうして私は先輩にとって妹なんだろう。
……本当の妹なんかじゃないのに
どうして今日、また出会ってしまったんだろう。
また明日から、先輩を忘れる努力をやり直さないといけないんだ。
そう思うとすごく悲しくなって、帰りのタクシーはさっきまでと同じように話せなかった。
……
さっき、帰る前に言われた
“ 俺じゃなかったらどーなってたかわかんねーぞ ”
先輩が正しいことも、心配されてることも良くわかってた。
……だけど
“ 私とだから何もなかった ”
って、そう聞こえて。
これ以上もう一緒にいるのが辛くて
いつまでも 妹 だって思い知らされるのが辛くて。
どうしても1人で帰りたかった。
こんなに辛いのに、先輩といた時間は楽しくて、変わらないあの笑顔に引き込まれて。
……だけどやっぱりこんな偶然は、欲しくなかったよ。
.
Ki side.
Aが帰ってからすっかり目も冴えて、
テレビ見ながらぼーっとしてたら震えたスマホ。
……あいつか？
そう思って手に取ると
雄平【A、家着いたってよ。】
雄【お前に伝えてくれって】
そうだよな。
あいつ、俺の連絡先知らねーもん。
……でも、雄平に聞いて連絡くるんじゃねーかってちょっと思ってた。
【了解。】
そう送るとすぐ返信があって
雄【昨日はありがとな。妹預かってくれて。】
【いや、夜中に悪かったな。】
雄【あいつ、元気してた？】
【おー、仕事頑張ってんだな。】
雄【そか。ならいんだけど。】
…珍しいな、こんな事聞いてくんの。
【会ってねーの？】
雄【いや、なんか疲れてたからさ。】
【え？帰るとき元気だったぞ。】
雄【二日酔いかもなw】
…朝、すげー普通だったけど？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 783人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななこ(プロフ) - こたえあわせ、めちゃくちゃ好きで何回も読み返してます！もし良かったらこの話のAfterstory的なもの書いて欲しいです…！ (2021年3月25日 1時) (
レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» お返事遅くなってすみません！兄のきもち、楽しんで頂けてよかったです(*^^*)鈍感かと思いきや、1番鈍感じゃない、っていう雄平さん。(笑)遅くなりましたが、移行しましたのでそちらも是非読んで頂けると嬉しいです！ (2019年7月22日 2時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 兄目線、面白いです!!2人を見てきたお兄ちゃん……続き待ってます！ (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8e7e67402b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - piroponcandyさん» 長いことお付き合い頂いてありがとうございました！(笑)おまけもつけてみたので、ぜひ読んでくださいね◎ほんと、主人公羨ましい。(笑) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» コメントありがとうございます！！本当ですか〜(;_;)そんな風に読んでいただけていて、すっごく嬉しいです…！おまけも更新したので、ぜひそちらも読んで頂ければ(*^_^*) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nico | 作成日時：2019年2月23日 23時
