* ページ25
.
「えっ……。」
一気に鳴り始める鼓動。
息をするのを忘れるくらい緊張して振り返えった先に立っていたのは
「…宏光先輩? 」
あの頃より暗くて短くなった髪。グレーのスーツにストライプのシャツを合わせてる。
それが本当によく似合ってて。
「ほんとに…?宏光先輩です、よね…?」
思わずそう聞き返したら、
北「こっちが聞きたいわ。(笑)
元気そうじゃん。」
って。
そう言って目尻に皺を作って笑う姿が、あの頃と一緒で。
…大好きだった、あの頃の先輩で。
緊張して訳が分からなくなってたら
“A、お知り合い?
って隣から聞こえてくる耳慣れた声。
……あ、忘れてた。
藤ヶ谷先輩いたんだった。
「あっ、えっと、高校の時の先輩の…北山さん…です。」
“ 北山さん ”なんて言ったことないから、なんだか笑ってしまう。
「あっ、高校の時の…?!
どうも、僕、同じ職場で働いてる藤ヶ谷と言います。」
「北山です。初めまして。」
…目の前で2人が挨拶を交わしてるなんて、なんかすっごい変な感じ。
少し話してたら、
藤「A?久しぶりに積もる話もあるでしょ。
俺先帰るからごゆっくり。」
そう言ってぽんっと肩を叩いて歩いて行った
藤ヶ谷先輩。
お疲れ様ですって背中を見送ってたら、
“ほんとに久しぶりだな。”って。
連れて行ってくれたご飯屋さんは、すごくお洒落なお店で。
ピーチフィズを頼んだ私に、
“ 変わってねーじゃん ”
って笑った先輩。
家に行っても全然会えなかったって言われて
会わないようにしてました、なんて言えなくて、思わず目をそらしてしまった。
そしたら、彼氏いるのか、とか聞かれて。
最後には、藤ヶ谷先輩のこと好きなの?って。
そんなこと言われるなんて思ってもなくて、言葉に詰まってしまった。
藤ヶ谷先輩にはお世話になってるけど、同じくらい彼女の紗奈さんにも良くしてもらってて。
そう話すと
「やっぱ祥子は妹キャラなんだなー。就職しても。」
そう言った先輩。
……そうだよね。
いつまで経ったって
“ やっぱり 妹 ”
なんだよ、私。
わかってた事なのに。
先輩の口から出る “ 妹 ” って言葉は、こんなにも私の胸に突き刺さる。
いつもより少し、お酒を飲むペースを上げた。
783人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななこ(プロフ) - こたえあわせ、めちゃくちゃ好きで何回も読み返してます!もし良かったらこの話のAfterstory的なもの書いて欲しいです…! (2021年3月25日 1時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» お返事遅くなってすみません!兄のきもち、楽しんで頂けてよかったです(*^^*)鈍感かと思いきや、1番鈍感じゃない、っていう雄平さん。(笑)遅くなりましたが、移行しましたのでそちらも是非読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月22日 2時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 兄目線、面白いです!!2人を見てきたお兄ちゃん……続き待ってます! (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8e7e67402b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - piroponcandyさん» 長いことお付き合い頂いてありがとうございました!(笑)おまけもつけてみたので、ぜひ読んでくださいね◎ほんと、主人公羨ましい。(笑) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» コメントありがとうございます!!本当ですか〜(;_;)そんな風に読んでいただけていて、すっごく嬉しいです…!おまけも更新したので、ぜひそちらも読んで頂ければ(*^_^*) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:nico | 作成日時:2019年2月23日 23時