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仕事が終わるとよく飲みに連れて行ってくれる先輩に、いつか聞かれたことがあった。
藤「こんな仕事してるけどさ、お前って結婚どころか浮いた話も聞かないよな。
俺に隠して実は彼氏とかいんの?(笑)」
「いませんよ!(笑)
…いつか出会えたらいいなって、思ってますけど。」
藤「何、もしかして運命の…ってやつ?(笑)」
「…そんなキャラに見えます?(笑)
好きになれるひと、ですかね。」
……宏光先輩より、好きになれる人。
藤「…ふーん。
居なかったの?今まで。」
「……いました。高校の時。
でもその人にとって私は妹でしかなくて。
だから怖くて言えなかったんです、自分の気持ち。…最後まで。
でも言えないと、残っちゃいますね、気持ちって。(笑)」
藤「……ふーん。
まぁあれだな…。
その人がうちにクライアントとして来ないようにだけ、一緒に祈っててやるよ。」
「ほんっと、意地悪ですよね!
自分が幸せだからって!!(笑)」
藤「なんか…ごめんな?俺ばっかり幸せで。」
「ひどっ!(笑)」
藤「……まぁさ、この仕事してなかったら多分運命なんて信じてないけど。
もしお前にとってその人が運命の人なら、どっかでまた出逢えるようになってるよ。
そうゆうの、何組か見てきただろ?」
普段はそんなこと絶対言わないのに、優しい顔でそう言ってくれた藤ヶ谷先輩を見てたら、なんだか泣きそうになったのを覚えてる。
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……運命の人、か。
宏光先輩ともしまた偶然出会ったとしても、
私たちを繋ぐ糸はきっと赤じゃない。
それなら…そんな偶然、来なくてもいいよ。
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それからしばらく経ったある日。
仕事終わりが重なったから一緒に帰ってたんだけど、なぜかいつもの倍ぐらいのスピードで歩き出す先輩。
え?
「……ちょっ! 」
なんなの!
「…はやいっ! 」
脚の長さも、履いてる靴も違うんですけど?!
なかば怒りながらも、とりあえず小走りで追いかける。
赤信号でやっと追いついて隣に並んだ。
「先輩歩くの早くないですか?!」
そう言った私を見下ろして
藤「あ、俺今日めっちゃ急いでんだよね。」
ってさらっと一言。
…………知ってるわ!!
心の中で悪態ついてたら
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「……祥子?」
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聞こえてきた、懐かしい声。
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ななこ(プロフ) - こたえあわせ、めちゃくちゃ好きで何回も読み返してます!もし良かったらこの話のAfterstory的なもの書いて欲しいです…! (2021年3月25日 1時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» お返事遅くなってすみません!兄のきもち、楽しんで頂けてよかったです(*^^*)鈍感かと思いきや、1番鈍感じゃない、っていう雄平さん。(笑)遅くなりましたが、移行しましたのでそちらも是非読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月22日 2時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 兄目線、面白いです!!2人を見てきたお兄ちゃん……続き待ってます! (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8e7e67402b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - piroponcandyさん» 長いことお付き合い頂いてありがとうございました!(笑)おまけもつけてみたので、ぜひ読んでくださいね◎ほんと、主人公羨ましい。(笑) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» コメントありがとうございます!!本当ですか〜(;_;)そんな風に読んでいただけていて、すっごく嬉しいです…!おまけも更新したので、ぜひそちらも読んで頂ければ(*^_^*) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nico | 作成日時:2019年2月23日 23時