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…………あーぁ、見つかっちゃった。
頑張って会わないようにしてたのに。
裕太に告白されたことと、会いたくなくて…でも会いたくて仕方なかった先輩に会ってしまったことで、頭の中はぐしゃぐしゃ。
何一つ整理できてないのに、息を切らして私の目の前にやってきた先輩。
北「よかった、…ちゃんといて。」
そう言って安心したように笑った顔を見て、なぜか分からないけど泣きそうになって、急いで目を逸らした。
「…先輩が待っててって、言ったんじゃないですか。」
北「(笑)。そーだけどさぁー。
……だって避けてんじゃん、A俺のこと。」
…気づかれてた。
「全然避けてないです。」
北「…ほうほう。
じゃー何で来なくなったの。食堂も、ジュース買いにも。」
「それは…
水筒持って行って節約しようと思って。
お昼ご飯は、みんなで…教室で食べようって。」
先輩の顔なんて見れなくて、俯いて視線をそらす。
北「……へぇ。
そうなんだ。
ふーん。」
感情のまるでこもってない声でそう言った先輩。
「……なんですか?」
北「別に?
……で?どうすんの?」
顔を見なくても、表情がわかってしまうほど冷めた声に、初めて先輩を怖いと思った。
でも、必死にそれ悟られないように言葉を繋ぐ。
「……何がですか?」
北「……玉森裕太、でしょ?
2年の王子から告られるなんて、やるじゃん。」
「……見てたんですか。」
北「見えちゃったんですー。
で?…付き合うの?」
「…それは
裕太は、ずっと仲のいい友達で。
そんなふうに考えたことなかったから…。」
北「…………いいんじゃん?」
「……え?」
北「…ずっと友達だったってことは、何でも言い合えて、お前のこと大事にしてくれるってことだよ。
…あいつ、いい奴そうじゃん。」
……なんで?
どうして先輩がそんなこと言うの。
私、先輩のことが好きなんだよ…?
言われた一言がショックで、うまい返し方が浮かばない。
「……そんなの……先輩に決められたくないっ!」
気が付くと、呼び止める先輩の声を後ろに聞きながら走り出していた。
誰もいない教室にたどり着いた時には涙が溢れて止まらなかった。
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ななこ(プロフ) - こたえあわせ、めちゃくちゃ好きで何回も読み返してます!もし良かったらこの話のAfterstory的なもの書いて欲しいです…! (2021年3月25日 1時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» お返事遅くなってすみません!兄のきもち、楽しんで頂けてよかったです(*^^*)鈍感かと思いきや、1番鈍感じゃない、っていう雄平さん。(笑)遅くなりましたが、移行しましたのでそちらも是非読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月22日 2時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 兄目線、面白いです!!2人を見てきたお兄ちゃん……続き待ってます! (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8e7e67402b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - piroponcandyさん» 長いことお付き合い頂いてありがとうございました!(笑)おまけもつけてみたので、ぜひ読んでくださいね◎ほんと、主人公羨ましい。(笑) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» コメントありがとうございます!!本当ですか〜(;_;)そんな風に読んでいただけていて、すっごく嬉しいです…!おまけも更新したので、ぜひそちらも読んで頂ければ(*^_^*) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nico | 作成日時:2019年2月23日 23時