ちいさな恋 4th

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何言ってんだ、俺は。



でも、なんかAの顔見てたら無意識で。



Aは案の定、目の前で固まってる。





A「…えっ？！！


…いやいや、違います！！

藤ヶ谷先輩、もうすぐ結婚するんです、うちのチャペルで。

手のかかる後輩だったからか、彼女さんにも妹みたいに良くしてもらってて。
よくご飯食べさせてもらったりもして。」






…結婚すんの？




笑って話すAを見て、どこかでホッとしてる自分。






「そうなんだ。


やっぱAは妹キャラなんだなー。就職しても。」







安心した反動で、本当に何気なく言ったこの言葉に、
Aが一瞬、もの凄く悲しそうな顔をして俯いた。









…え？









だけどすぐに上がった顔はもう笑ってて。







でもこの笑顔は…、







A「ふふ、そうなのかも知れませんね！」





笑ってごまかすA。









なんでそんな顔してんだよ…





やっぱ、好きだったんじゃねーのか？
藤ヶ谷さんのこと…。






無理して笑ってる姿が居た堪れなくて。


でもそれと同時に、自分の中もよくわからない感情が渦巻いてる。








.






それからのAは、すげーよく笑ってて。





てかこいつ、ほとんど顔に出ないからあんま感じなかったけど…もう結構飲んでるよな？



その証拠に、いよいよちょっと頬が赤くなって、
目がとろんとして…



……とにかく無意識に色気を放ってきてる。







「A、そろそろやめとけよ。
お前明日仕事でしょ？」




A「んー？休みです。明日。

だから今日は飲みたい日なんです。



…… あっ、先輩は明日お仕事ですよね…。」




“すみません、付き合わせちゃって。”

って今度はしゅんとしてる。


「いや、俺も明日休みだから。

いーよ、ちょっとぐらい。」






そう言うと、ぱっと顔を上げて

“ よかったぁ。”

って嬉しそうに笑ってる。




それじゃぁ…と言わんばかりに




A「すいません、ハイボールくださいっ。」


って通りかかった店員さんを呼び止めるA。




こいつ…。


「ばかっ(笑)なんでだよっ！」







.









A「今日はすっごく楽しかったですっ。


先輩ご馳走様でしたっ！」




赤いほっぺにピッカピカの笑顔でそう言って頭を下げるA。



時計は終電間近。



あれから結局またお互いに飲み進めて。

ちょっと酔ってはいるものの、潰れてないAの酒の強さには驚かされる。

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