こたえあわせ ページ1
.
「…A?」
「えっ……
宏光先輩?」
***
ピッ
「あぁっ!!!」
ガコンッ
食堂前の自販機でどれにしようかってジュースを悩んでいたら、後ろから伸びて来た手にピッとボタンを押されて、
…落ちて来たのは昭和感溢れる牛のイラストが描かれた白いパック。
…こんなことしてくるのは1人しかいない。
「もう!!宏光先輩!
だから私牛乳飲みませんってばっ!!」
そう言って振り返ると、喉仏を揺らして大笑いしてる私の……好きな人。
北「なんだよー、長いこと悩んでるから俺に押されんの待ってんのかと思って。(笑)」
そう言って笑った顔がキラキラしてて、直視できない。
「ちっちがいますっ!」
顔が見れなくて、しゃがんで落ちて来た牛乳を取り出すと、ひょいっとそれを奪う先輩。
北「あ〜ぁ、ほんとわがままでやんなっちゃう〜。」
って言いながらお金を入れて、ボタンを押して次に落ちて来たのは桃味のジュースのパック。
北「ん。お前これでしょ?」
そう言って手渡してくれた。
A「っしょうがないから、今日はこれで我慢してあげますっ。」
本当は嬉しくてたまらないのに、そう返すと
北「ばーか、お前結局いつもこれにたどり着くじゃん。(笑)」
ってケラケラ笑ってる。
……そうだよ。
だけど素直になったら、先輩を好きな気持ちがいろんなところから溢れてしまいそうで。
もともとはお兄ちゃんの友達で。
高校に入ってからお兄が私に声をかけるたび、隣にいた先輩からもいつのまにかAって呼ばれるようになって。
そのうちにお兄がいなくても、こうやってちょっかいかけられるようになった。
サッカー部のエースで、もう運動神経から出来てるんじゃないかと思うほどセンスが良くて。
持って生まれたチャラさで男女問わず友達が多くて、それに加えて無自覚で振りまいてる色気でモテまくっていた宏光先輩。
そんな爆モテでイケイケなのに、
私を見つけるとかならず声をかけてくれて、
体育祭の借り物競走で緑のジャージを借りに私目掛けて走って来たり、何もないところでつまずいて転んだ私に駆け寄って、「 なんでそんなドジなの?(笑)」って笑いながら手を貸してくれたり。
…ちなみにお兄は先輩の後ろで爆笑してた。(根に持ってる。)
気がついたら先輩のことばっかり考えるようになってた、高校2年の秋。
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ななこ(プロフ) - こたえあわせ、めちゃくちゃ好きで何回も読み返してます!もし良かったらこの話のAfterstory的なもの書いて欲しいです…! (2021年3月25日 1時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» お返事遅くなってすみません!兄のきもち、楽しんで頂けてよかったです(*^^*)鈍感かと思いきや、1番鈍感じゃない、っていう雄平さん。(笑)遅くなりましたが、移行しましたのでそちらも是非読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月22日 2時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 兄目線、面白いです!!2人を見てきたお兄ちゃん……続き待ってます! (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8e7e67402b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - piroponcandyさん» 長いことお付き合い頂いてありがとうございました!(笑)おまけもつけてみたので、ぜひ読んでくださいね◎ほんと、主人公羨ましい。(笑) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» コメントありがとうございます!!本当ですか〜(;_;)そんな風に読んでいただけていて、すっごく嬉しいです…!おまけも更新したので、ぜひそちらも読んで頂ければ(*^_^*) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nico | 作成日時:2019年2月23日 23時