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覗いた画面に表示されていたのは目の前にいる雄平の名前。
LINEを開くと、次に出てきたのはAの名前と連絡先。
「なんで…?」
雄「…そんなに心配ならお前が相手してやってよ。(笑)」
「いや、心配っつーか…。」
雄「さっきからすげー顔してんの気付いてねーのかよ。(笑)
まぁ、お前がいいならほんとに他の奴紹介するけど…」
「バカ!良くねーよ!!」
…あ。
雄「ならそう言えよ最初っから。(笑)」
「…でもあいつ、俺のこと兄妹みたいにしか思ってねーだろ。」
そう言ったら今度はさっきよりも分かりやすくため息を吐いた雄平。
雄「あのなぁ、
兄妹みたいに思ってたら、あいつがお前と5年間1回も会わないなんてことある訳ねーだろ。」
「…どういう意味?」
雄「俺は毎回、宏光がいつ来るかわかった時点であいつにちゃんと連絡してたよ。予定合わせられるように。
でもAが帰る日は絶対ズレてて。」
“ まじで頑固なんだよ俺の妹。”
そう言って苦笑いしてるけど
どういう事?
「え……俺、避けられてたってこと?」
雄「……さっきの話、Aが好きだった奴って俺の良く知ってる奴でさー?
これがめっちゃ鈍感で、Aの気持ちにも自分の気持ちにもぜんっぜん気付かないままどっか行っちゃって。
それが最近偶然再会して、今更自分の気持ちに戸惑ってるような奴なんだよなー。」
ちゃらけたようにそう言うと、
“ お前もよく知ってんじゃね?そいつの事。”
ってこっちを見る雄平。
……え?
さっきから雄平が話してる
“ Aが好きだった奴 ” って……
当てはめると、パズルのピースがはまるように今までの話が一つに繋がっていく。
…それどころか、遡って高校の頃の記憶の中のAの言動も全部が繋がって
あの日の言葉の意味も
あの時の涙の意味も、全部繋がって。
…どんな気持ちで俺のこと “兄ちゃん” なんて
どんな気持ちで…。
あの日、「卒業おめでとう」って精一杯笑って、
「いってらっしゃい」って背中を押してくれたA。
顔見なくても、震えた声で泣いてんのがわかったから振り向けなかった。
俺があいつに “ 妹 ” を押し付けてたんだ。
雄「まぁ…あいつが今どんな恋愛してんのか知らねーけどさ、1人で泣かないようにしてやってくんね?」
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ななこ(プロフ) - こたえあわせ、めちゃくちゃ好きで何回も読み返してます!もし良かったらこの話のAfterstory的なもの書いて欲しいです…! (2021年3月25日 1時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» お返事遅くなってすみません!兄のきもち、楽しんで頂けてよかったです(*^^*)鈍感かと思いきや、1番鈍感じゃない、っていう雄平さん。(笑)遅くなりましたが、移行しましたのでそちらも是非読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月22日 2時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 兄目線、面白いです!!2人を見てきたお兄ちゃん……続き待ってます! (2019年7月15日 12時) (レス) id: 8e7e67402b (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - piroponcandyさん» 長いことお付き合い頂いてありがとうございました!(笑)おまけもつけてみたので、ぜひ読んでくださいね◎ほんと、主人公羨ましい。(笑) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ぷにぷにさん» コメントありがとうございます!!本当ですか〜(;_;)そんな風に読んでいただけていて、すっごく嬉しいです…!おまけも更新したので、ぜひそちらも読んで頂ければ(*^_^*) (2019年6月23日 17時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nico | 作成日時:2019年2月23日 23時