ちいさな恋 3rd

となりのひと。 ページ32

Aside.



ー ピーンポーン ー




土曜日の夕方、家でのんびりしていたら鳴ったインターフォン。



「はーい。」



ちょうど配達指定していた荷物が届く時間だったから、印鑑を片手に確認もせずに開けてしまったドア。







そこには想像していた宅急便の制服とはかけ離れた、ジャージのセットアップ姿の男の人が立っていた。







「 「 え？ 」 」









………誰？





同じように目を丸くしたその人。






「あれ？…みつの彼女？」






みつ…？




全然展開が読めないんだけど。



一気に緊張と不安が走る。





「あの……どちら様、ですか…？」





「あ、俺みつの友達の二階堂って言います！


今日約束してたんですけど、聞いてないですか？」








「みつ…って？」







二「…え？」






「あの…ここ、私のうちなんですけど…。」








二「えっ？！

俺606号室って聞いたんだけど…」




そう言いながらスマホを操作し始める







二「あぁっ！！！！！」






「ひぇっ？！」






いきなりの大きな声に驚いて変な声が出る私。
何事かと思っていたら、ものすごく申し訳なさそうにぽつりと一言。








二「605って書いてある…。」









「 「 …………。 」 」









「………おとなり、ですね。」









二「もうほんっっっとごめんなさい！！すみませんでしたっ！！」



必死に謝る角度があまりにも綺麗に90度だったから、なんだかおかしくなって思わず笑ってしまった。



「全然大丈夫です。(笑)

気にしないでくださいね。







…えっと…それじゃぁ。」






二「ほんとごめんなさいっ！」





バッと顔だけ上げて眉毛をハの字にしてる彼に、会釈してドアを閉める。





.









はぁ…びっくりしたぁ…。




やっぱりちゃんと開ける前に確認しないとダメだよね…。



よく分かんなかったけど…悪そうな人じゃなくてよかった。






ほっと胸を撫で下ろしながらリビングに戻った。





そう言えばお隣さんって、まだちゃんと見たことないんだよね…



もう住み始めて結構経ってるんだけど。




どんな人なんだろう。

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