ちいさな恋 3rd

＊ ページ27

北山side.


「…あいつらには言ったから。てか、迎えに行った時点でバレてるから、付き合ってること。(笑)」



A「そう、ですよね。」



「…んな心配すんな。あいつらは大丈夫だよ。」



A「うん。」




「てか、俺は別にバレてもいいけど。」




バッと身体を離したかと思えば


A「ダメです！」


って即答するA。





「…そんなに？
異動になっても堂々とできる方が良くね？」




A「だってそしたら…っ、」




そこまで言っといて言いよどむ。





「そしたら？」






A「…先輩の仕事してるとこ、、見れないから。」






「はぁ？そんな理由？」






そう言った俺をぐっと睨んでくる。…全然怖くないけど。(笑)






A「もう先輩にコーヒーだって入れられないし、朝、給湯室でも会えなくなるんですよ？



残業だって…もう一緒に出来ないし…。




…そんなの寂しいもん。」






そう言ったAが可愛くて、なんだよ、俺と同じじゃん。って思って嬉しくて。


ふふっと笑うと






A「先輩はそんなの…どうでもいいですか？」





なんて寂しそうに呟くから、もう一度引き寄せてぎゅっと抱き締める。







「…俺も。」





A「え？」






「俺も、コーヒー持ってきてくれるAのこと、1秒でも長く引き止められねーかと思ってるよ。毎日。」





「Aと同じで、やっと触れたって、すげー思ってる。今。」





A「先輩…。」





「…こーやってもっと思ってること言っていーから。

言われなさすぎるとさ、寂しくなるから。」




そう言うと、顔を上げないまま、ゆっくり話し出したA。



A「…私ずっと、仕事してる先輩の横顔が大好きで。ちらちら見てるだけで幸せだったんです。



でも…


今はそれと同じくらい、朝、寝癖いっぱいつけてなかなか起きられない先輩も大好きで。




ちょっとでも先輩の近くにいたいってそればっかり思っちゃって…





…ごめんなさい。」





「なんで謝んの？」







A「…欲張ってごめんなさい。」







「ふふっ、お前はほんっとさぁ。…ずるいわ。」







A「えっ？」





.






「…なぁA、








.









一緒に住む？」






.









A「………えっ？」




ゆっくり顔を上げて、目をまん丸にしてるA。








「俺と…住む？」

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