ちいさな恋 3rd

＊ ページ23

北山side.


PM10:30





風呂から上がって、久々のビールを飲みたいとこだけど……今日は我慢。






PM11:00




とりあえず、パソコンを開いて急ぎでもない仕事をしてみてるけど、テーブルの上のスマホはまだ光らない。







PM11:30









11:30…？









………遅くね？




盛り上がってまだ飲んでんのか？


…いや、なかなか深い時間になってきてるぞ？




連絡忘れてる？



…いやいや、Aに限ってそんなことないはず。




結局仕事も全然手につかなくて、光ってもないスマホを手にとってAに電話を掛ける。





………


長いコールをしつこく待ってたら音が途切れて途端に騒がしい声が聞こえてくる。





『もしもし？！みつさん？！
え！どーしたんすか？！』








「………なんでお前が出てんだよ。二階堂。」






二『いや、ずっと鳴ってるから気になってのぞいたら、みつさんの名前出てるから！！

なんかあったんすか？」







「何もねーわ、Aどーした？」





二『それがA寝ちゃってて！！

タクシーで送るかって今話してたとこで！』





は？

寝てる…？




「どこの店？」



二『え…？

駅前の〇〇って店ですけど…。」






「行くわ。そのまま店にいて。」




二『えっ？今から？！

えっなんで？！』




騒いでる二階堂を無視して電話を切った後、コートを羽織って家を出る。





本当は朝、飲み会の後迎えに行くからうちに泊まればって言おうと思ってたのに、


" 大丈夫です！"


とか言われちゃって。
一瞬怯んでたら二階堂っていう邪魔な奴が入ってきて言えなかったし。



最近忙しすぎて全然ゆっくり会えてなくて、Aは俺が仕事してるとラインも電話もほとんどして来ないから連絡も最低限。



…わかってんだけどさ？


理解してくれてて有難い事のはずなのに、思う程Aは俺と会いたくないのか？なんて思ってしまう女々しい自分。


俺なんてあいつが近くに来るたびにどうにか声かけられないかとか思ってんのに。







…しかも寝んなよ。他のやつの前で無防備に。
何やってんだあいつ。



運転しながら、だんだんとイライラが募ってくる。





店に到着して探すと、机におでこを預けて伏せてるAの姿。


二「みつさん！！」




「悪いな、こいつ回収するわ。」




二「えっ？！
ちょっと待って、、え？何でみつさんが？」






玉「もしかして、Aの彼氏ってみつさん？」

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